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大幅に強化されたHyper-V 2.0のパフォーマンス

2009年8月21日(金)
田辺 茂也

スケーラビリティの強化点

 第1回「Hyper-VでいよいよOS仮想化本番へ(http://thinkit.jp/article/1004/1/)」では、マイクロソフトの仮想化技術の全体像と、Hyper-V 2.0の概要について解説しました。今回は、Hyper-V 2.0で強化されたパフォーマンスとスケーラビリティに関して詳しく見ていきましょう。

 まずスケーラビリティの強化点については、サポートされるCPU・コアの数が大幅に拡大されました。具体的には64の論理プロセッサーがサポートされているため、4コアのCPUであれば16基までサポートされるということになります。

 そのサーバー上で動く仮想マシンは、384個まで同時に動かすことができ、合計512仮想プロセッサーまで使えます。例えば、デュアルCPUが設定されている仮想マシンは256個まで同時に動かすことができます。

 非常に大きな数なので、あまり身近に感じられないかもしれませんが、手元のデュアルコアのマシンで仮想マシンをセットアップし、エクスポートしてそのままデータセンターの巨大なHyper-Vのサーバーにインポートするような構築手法など、上限が上がっていくことで利便性や活用範囲の拡大につながります。

 仮想環境におけるスケーラビリティは、スケールアップとスケールアウトの両面で考えることができます。最大プロセッサー数はスケールアップの限界にかかわってきます。

 仮想環境の管理の最大の問題点は、OSと筐体が1対1ではなくなり、N台の筐体でM個の仮想OSが動いているため、どの筐体で何が動いているかが分かりにくくなる点でしょう。この点については、System Center Virtual Machine Managerという仮想環境管理システムを導入することにより解決できますが、筐体の台数(N)を減らすことも効果的です。

 また、意外とサーバー機で障害が起きやすいのは電源だと、経験上感じられている方もいると思いますが、その場合は比較的大規模なサーバーを購入して台数を減らし、その代わりに、それぞれの電源を二重化するといった投資も考えられます。

 一方あまり台数を減らしすぎると、ハードウエア障害が生じた場合の影響範囲が大きくなりますので、一部がダウンしてもサービスが継続できるくらいのバランスを見ながら設計する必要があるでしょう。

 安価なサーバーで台数を多くという方針と、高価なサーバーで台数を少なくという方針のどちらにもメリット、デメリットがありますので、リーズナブルなところを狙って構築したいところです。

 いずれにせよ、サーバーのハードウエアと仮想OSが分離されているところが、Hyper-Vをはじめとする仮想環境の特長ですので、ハードウエアの追加や入れ替えは自由に行うことができます。その時点でのベストな選択でシステムを構築して、定期的に見直していけばよいでしょう。

マルウエアのリアルタイム検知が動いている場合の対策

 パフォーマンスの強化点を紹介する前に、意外とよく目にするパフォーマンスの落とし穴に触れておきたいと思います。それはアンチウイルスソフトウエアです。

 組織のポリシーとして、サーバーOSでもアンチウイルスソフトウエアによるリアルタイム検知を必須としていることもあると思います。その場合、Hyper-Vが稼働している管理OSでもマルウェアのリアルタイム検知が動くことになります。すべてのディスクの書き込みに対して検疫がかけられますので、ディスクI/Oのパフォーマンスに大きな影響を与えます。

 Hyper-V上で稼働している仮想マシンがどうも遅い、仮想マシン内でマウスを動かしてもカーソルがついてこないくらい遅い、たいした作業をしていないのにディスクに猛烈にアクセスしているようなことがあれば、アンチウイルスソフトウエアがVHDファイルを検査しているのかもしれません。

 VHDファイルは常に書き込みが発生し、ファイルサイズも大きいため、リアルタイム検知の負荷は大きくなります。一方で、リアルタイム検知のエンジンがVHD形式のファイルに対応していない限り、外側(管理OS側)からスキャンしてもマルウェアは見つけられません。したがって、管理OS上で、VHDファイルを検疫することは現状ほとんどメリットがありません。

 管理OSでマルウェアのリアルタイム検知が動いている場合は、ファイルの拡張子「vhd」と「avhd」 を除外するように設定すると、本来の速度で仮想マシンが動くようになります。「vhd」と「avhd」内のマルウェアは、仮想マシン上もアンチウイルスソフトウエアを動かしておくことで検知できるようにしておきましょう。

マイクロソフト株式会社
マイクロソフト株式会社でITプロエバンジェリストとしてインフラや運用管理のテーマを中心に、技術情報の整備と発信を担当

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