グーグル、アプリ集客を賭けてディープリンクで勝負
グーグルがついにディープリンクに踏み込む。検索エンジンの最大手であるグーグルは、今週から、Androidスマートフォンでの検索結果にモバイルアプリへのリンクを追加した。それによって、検索ワードの関連情報を含むアプリをユーザーにインストールさせるのがねらいだ。
これはグーグルにとって大きな一歩だ。同社はモバイルでの収入において、長らくジレンマに直面していた。原点である広告収入はデスクトップ端末がベースであり、スマートフォンやタブレットの小さな画面へとすぐに移行することはできなかった。その一方で、同社の検索エンジンはオープン・ウェブがベースであり、モバイルアプリ内の情報を制限付きで閲覧することができた。
大きな変更点は、グーグルが「ディープリンク」を利用したモバイルウェブの構築を進めることである。現在そのアプリをインストールしているか否かに関わらず、ユーザーがアプリ内の該当箇所へとアクセスできる仕組みだ。検索結果がこのように変わることで、グーグルはアプリ発見用のカタログと化す。アプリ内のコンテンツを紹介し、同時にユーザーへダウンロードを促すことになるだろう。
これによって、おそらくグーグル検索を利用する誰もが恩恵を受けるだろう。ウェブのみの検索では見逃しそうなアプリの情報が見つかる可能性があるからだ(アプリのインストールボタンがたくさん検索結果に出てきて閉口するユーザーもいるだろうが)。
開発者よ、App Indexingを利用しよう
だがこの機能はアプリ開発者にとって、単なる変更以上のものだ。アプリをインストールするためのリンクがグーグルの検索結果に表示されることにより、グーグルのテクノロジー、App Indexingを利用する大きな動機が生まれる。その結果として、アプリ内のページや写真、動画、その他の情報へのディープリンクが次々と生み出されることになるだろう。
(この変更をイメージできない場合は、グーグルの開発者向けブログで「App indexingでアプリのインストールを増やしましょう」というタイトルの投稿を参照してほしい)
App Indexingは1年以上前からAndroidの機能に加わっており、すでに関連アプリをユーザーに提案している。例えば、映画のレビューを探していて、Flixsterアプリをすでにインストールしている場合、検索結果にはアプリへのディープリンクが表示される。アプリをインストールしていない場合には表示されない。
今後グーグルは検索結果でアプリに焦点を当てていく。ユーザーがそのアプリをインストールしているか否かは関係ない。もしインストールしていなければ勧めてくるだろう。開発者によりグーグルのApp Indexingプログラムに登録された全アプリがこの機能の対象であり、現在300億個以上のディープリンクが組み込まれている。
画像提供:
トップ画像:Roy Luck
アニメーションGIF:Google
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※本記事はReadWrite Japanからの転載です。転載元はこちらをご覧ください。
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