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モノのインターネットの勝者となるのは?アップルとグーグルだ

2015年4月27日(月)
ReadWrite Japan

開発者とは今日におけるキングメーカーであり、成長を続けるモノのインターネット市場ほど、彼らの価値が輝くところはない。実際、この分野での勝者を見分ける一番簡単な方法とは、一番多くの開発者を抱えているモノのインターネット企業を見つけることだ。

しかしながら引っかかる所は、彼らモノのインターネットの企業達は、常に自分たちの立ち位置がそうであるとは考えているわけではないという点だ。

IBMやCisco、Jasper、Sierra Wirelessなどが自分たちこそがこの分野の先駆者だと自認したがるが、現実は大きく異なる。しつこいようだが開発者たちのことを念頭に置いて考えると、現時点の勝者はアップルとグーグルになるとVisionMobileの報告は締めくくっている。

開発者たちが世界を継ぐ

以前書いたように、モノのインターネットの市場を活発なものにするには、2020年までに数百人単位の開発者を必要としている。幸いにもマーケットは日々新しい開発者たちを排出しており、2020年までには最大で450万人位にはなる見込だ。

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「モノのインターネット開発者の数 2014-2020」 (VisionMobile, 2014)

以前触れたとおり、彼らの多くはアジアー太平洋地区に住んでいる。しかし現実には多くのモノのインターネットの開発者たちは自分たちのことをその様には捉えていない。彼らはただのモバイルでの開発者であり、モノのインターネットの開発者になることを待っている状態だ。

そして彼らをそういった存在にしているトップの存在こそが、アップルでありグーグルである。

兎にも角にも開発者

VisionMobileによる2015年 上四半期の開発者の統計調査では、53%のモバイル開発者たちは既にモノのインターネットのプロジェクトに関わっている。その中でも多いのが、スマートホーム(モノのインターネットに関わっている開発者の37%)とウェアラブル(35%)だ。

現実の話において大事なのは何名の開発者がモノのインターネットに関わっているかではなく、どれほどの人がこれに関わることによって収入を得ているかだ。

VisionMobileのアンケートでは、多くの開発者たちはこれらのプロジェクトは趣味として関わっているか(30%)、サイドプロジェクトとして関わっている(20%以下)かだといい、モバイルアプリの開発を本業としているという。12%は独立系の開発者だという。

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およそ半分のモノのインターネットの開発者たちが本業とは別の形で取り組んでいる事から、彼らが選ぶプラットフォームは習得するのに投資が最低限で済むものという事になってくる。

この事はSierra WirelessやPTCなどといったモノのインターネットに特化した企業は、モバイルの万能選手であるグーグルやアップルに対して不利な条件となる。

かつての強者達はいずれ衰える

アップル(HomeKit、Apple Watch等)とグーグル(Nest、Android Wear等)はすでにモノのインターネットにおいて重要なツールを提供している。しかしこれらツールそのものが重要である以上に、モバイルプラットフォームに置いてこのツールに親しんでいる開発者の世代を生み出していることのほうが重要だ。

冒頭のVisionMobileのレポートでは、「モノのインターネットにおいて収益を上げる唯一の方法は、コモディティ製品、接続性、クラウドなどの上で独自の価値を生み出す起業家達のネットワークを作ることだ」と締めくくられている。これら起業家たちが実際に何かを生み出す原動力になるのは開発者たちであり、グーグルとアップルは数多くの開発者たちから信奉を集めている。

500万人以上が力を合わせる事になるのだ。

VisionMobileの最新のレポートでは次のように述べられている。

IBMやCisco、GEといった成熟したテクノロジー企業や、モノのインターネットにおける現在のスペシャリストであるJasper、PTC、Sierraなどは、モノのインターネットにおけるエンタープライズ市場について熟知している。しかし彼らは開発者たちをユーザーと結びつけることについては専門ではない。

もっとも多くの開発者を抱えた企業が勝つ。グーグルとアップルは最も多くのモノのインターネットの技術者たちを集めた今、向こう数年はマーケットを支配するだろう。非常に簡単な話だ。

Matt Asay
[原文]

※本記事はReadWrite Japanからの転載です。転載元はこちらをご覧ください。

※本ニュース記事はReadWrite Japanから提供を受けて配信しています。

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