NATの概念[グローバルアドレスとローカルアドレスの静的/動的変換]

2015年5月25日(月)
内山 豊彦
次に、ダイナミックNATの仕組みについて例題を使用して説明します。
 
公式ガイドブック24章の問題5
 

※上記の問題6は『シスコ技術者認定試験 公式ガイドブック Cisco CCENT/CCNA ICND1 100-101J』 p.661より抜粋。

 
この例題は、ダイナミックNATの概念についてのものです。ダイナミックNATとは、プールに登録された内部グローバルアドレスを使用して動的にNAT変換を行うことです。ダイナミックNATの場合、パケットの通過時に、使用する内部グローバルアドレスをプールから抽出してNATテーブルに追加します。そのため、最初のパケットが通過する前のNATテーブルは以下のようになります。NATの変換結果を確認するには、show ip nat translationsコマンドを使用します。
 
show ip nat translationsコマンドの実行結果
 
結果は上記のように何も表示されません。NATテーブルに何もエントリがないということです。最初のパケットが通過するまで、何も作成されず空白のままです。
 
この例題は、ダイナミックNATでのテーブルエントリのタイミングを問うものです。ダイナミックNATの場合、先に説明したように最初のパケットが通過したときに初めてエントリが作成されます。よって、正解はaになります。最初のパケットが通過すると、次のようにNATテーブルエントリが作成されます。
 
NATテーブルエントリ
 
 

【参考サイト】
「Cisco NetSpace」(http://www.netacad.com)(アクセス:2015/05)
「Cisco 1900 シリーズ サービス統合型ルータ ハードウェア インストレーション」(アクセス:2015/05)

 
この記事で紹介した書籍
シスコ技術者認定試験 公式ガイドブック Cisco CCENT/CCNA ICND1 100-101J

Wendell Odom 著/株式会社クイープ 訳
価格:4,400円+税
発売日:2014年03月05日発売
ISBN:978-4-8443-3553-5
発行:インプレスジャパン

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ECCコンピュータ専門学校専任教員、シスコ認定アカデミーインストラクタ。 2001年よりシスコネットワーキングアカデミーの授業を担当。 ネットワーク以外にもLinuxやWindowsサーバなどの授業や学内のサーバの構築・運用管理を行なう。 また、Webサイトの構築のためのスクリプト言語(PHPなど)も担当。ネットワークやサーバだけでなくWebサイトの構築も行なう

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