一目でわかる!VJの機材構成

2008年7月19日(土)
川村 有

自作の機材と組み合わせる

 電子工作が得意な方なら、機材を自作したり改造してVJプレイをすることも可能です。VJの中には前のページで紹介したMIDI機材を自作してしまうような方もいますが、最近ではセンサーとパソコンを簡単につなぐ、便利な電子工作キットも販売されているので、初めそちらを利用することをオススメします。

 筆者が個人的に気に入っているのは、GAINER(ゲイナー)(http://gainer.cc/)というキットで、この手のキットには珍しく、日本語の書籍が出版されています。組み立て方や活用事例が丁寧に解説されていて初心者でも取っ付きやすく、「電子工作はちょっと…。」という方でも楽しんで作ることができます。興味のある方は購入してみると面白いかもしれません。

 このGAINERは、圧力センサーや傾きセンサーなどさまざまな電子部品の値をFlashと通信することができるので、例えばDJがレコードを回し始めたら、仕込んであるセンサーが反応して自動的にFlashムービーが流れ始めたり、レコードの回転数に応じて映像のスピードを変化させることだって理論上は可能です。

自分だけの組み合わせを見つける

 VJにとっての「組み合わせ」とは、VJプレイのスタイルそのものを決定する大事な設計図ということになります。

 イベントや出演アーティストによって機材を組み替えたり、または組み方そのものの順番を変えたりすることも多く、実際に機材を1つ追加しただけで、プレイスタイルをガラッと変化させてしまうことも可能です。

 ちょっと極端な例ですが、筆者自身、出演アーティストの多いイベントではアーティスト別に演出方法を変えるため、会議用の長テーブル4台をビッチリ埋め尽くす(正確にはあふれている)ほどの機材を並べたこともあります。この時は、あまりに横幅が広すぎて、端から端まで手が届かなかったので、アーティストごとに筆者自身が横にスライド移動してプレイをしました。

 今回紹介したように、VJの世界はさまざまな機材や手法を組み合わせることによって表現の幅を格段に広げることができます。組み合わせの方法は無限大に存在します。組み合わせを駆使して、ぜひ自分だけのVJ表現を追求してみてください。

 次回の最終回では、最近のVJトレンドやちょっと未来のVJ予想図をお伝えします。それでは次回もお楽しみに!

VJチーム M.M.M(エムエムエム)主幹。1999年結成。世界屈指のMIXテクニックを誇り、世界各地のイベントVJを担当。国内最大級のテクノミュージックフェスティバル「METAMORPHOSE」や「WIRE\'07」に出演。また、日本最大のVJサイト「GLOBAL AUDIO VISUAL JAPAN(http://www.audiovisual.jp/)」の運営やVJ ソフトウエアmotion dive.tokyo(http://www.digitalstage.jp/mdt/index.php)の開発など、その活動の幅を無限に広げている。VJ M.M.M:http://www.htmmm.com

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