これからのビジュアル表現手法

2008年7月26日(土)
川村 有

オーディオビジュアルとは?

 最終回となる今回は、「これからのヴィジュアル表現手法」と題して、最近のVJトレンドやこれからが旬の機材を紹介します。

 最近VJ業界では「オーディオビジュアル」という言葉が注目を集めています。オーディオビジュアルとは「オーディオ」と「ビジュアル」とういう2つのワードを一続きにした造語で、1つの単語にまとめることでVJ業界では特別な意味を持ちます。

 従来のVJ的な手法は、DJやミュージシャンが演奏する音に対してVJが独自の解釈をし映像を付ける、いわば「照明演出」に近い手法だったのですが、このオーディオビジュアルは、映像以外に音も一緒に扱います。

 具体的には、音と完全にシンクロした映像演出のことで、例えば「ウーッ」とサイレンの音が鳴れば、パトランプの映像が出るし、「ギュイーン」とチェーンソーの音が鳴れば、木を切っているチェーンソーの映像が流れるといった具合に、オーディオビジュアルアーティストが流した音楽にピッタリと合った映像がスクリーンに映し出されます。

 あまりに音と映像がピッタリとシンクロしているため、見ていてテンポが良く、音楽を聴いてる感覚というより、サーカスや大道芸のようなショーパフォーマンスを眺めている感覚に近いものがあります。それでは実際に動画を見てみましょう。

オーディオビジュアルの手法

 オーディオビジュアルの手法はさまざまです。例えばDVDに、当日流す楽曲とそのプロモーションビデオを入れておき、そのDVDをスクラッチすれば、当たり前ですが完全に音とシンクロした映像を流すことができます。普段CDを使ってDJをするアーティストはDJをDVDに置き換えれば、明日からでもオーディオビジュアルパフォーマンスを行うことができます。

 また、前回紹介したMIDI機材を利用すれば、楽器の演奏と完全にシンクロした映像パフォーマンスをすることもできます。

 今まで音楽パフォーマンスを行っていいたアーティストは、自分のシンセサイザーやドラムとVJソフトを組み合わせれば、自分のライブパフォーマンスにピッタリと合った、オーディオビジュアルパフォーマンスを行うことができます。

 このように、オーディオビジュアルは読んで字のごとく、音と映像を同等に扱うため、作曲から映像演出まですべてをイメージした通りの完全なステージパフォーマンスを行うことができます。

VJチーム M.M.M(エムエムエム)主幹。1999年結成。世界屈指のMIXテクニックを誇り、世界各地のイベントVJを担当。国内最大級のテクノミュージックフェスティバル「METAMORPHOSE」や「WIRE\'07」に出演。また、日本最大のVJサイト「GLOBAL AUDIO VISUAL JAPAN(http://www.audiovisual.jp/)」の運営やVJ ソフトウエアmotion dive.tokyo(http://www.digitalstage.jp/mdt/index.php)の開発など、その活動の幅を無限に広げている。VJ M.M.M:http://www.htmmm.com

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