一目でわかる!VJの機材構成
コンビネーションの魅力
3回目となる今回は上級編として、VJソフト以外のほかの機材も使ったコンビネーションについて紹介します。
VJにとって複数の機材をコンビネーションするということは大きな意味があります。その理由は大きく分けて3つあります。
第1の理由は、リスクを減らせることです。VJはぶっつけ本番がプレイスタイルの基本なので、本番中にPCがフリーズ!なんて自体はよく起こります。なので、あらかじめ最悪の事態を想定して、予備のPCを用意しておいたり、予備のDVDプレーヤーを用意しておけば、万が一の事態に備えることができます。
第2の理由は、チームでプレイができることです。VJチームでプレイする時はジャズバンドのように、各自の機材が必要になります。また、それらの機材をつなぐために新たな機材も必要になります。このほか、複数のVJが機材を持ち寄ってこのスタイルを取ることもあります。筆者自身、最大で6チーム、総勢で21人の機材を組み合わせたこともあります。
第3の理由は、その機材でしか出せない映像が出せることです。これはもう、こだわりの話になってくるのですが、例えばカメラのレンズと同じように、機材メーカーによって多少色味が違ったり、付いている機能が微妙に違ったりしています。また、ビデオデッキ特有のノイズ感が好きだったり、巻き戻しの際に乗るノイズが好きだったりと、VJによってはかなりマニアックなこだわりを持っています。
このように、VJ機材はプレイスタイルやイベントに合わせて自由に組み合わせることが重要になってきます。また、機材を足すことで新たな広がりやテクニックを見つけることもできます。
筆者自身、かなりの数の機材をイベントに合わせて組み変えてVJをしています。一番数が多い時では、自分のチームだけでほかのVJ3チーム分のスペースが必要な時もあります。ただ、機材が多くなってくるとプレイの幅は広がるのですが、特にライブハウスなど、機材を置く場所が満足に確保できないシーンもあるので増やし過ぎには注意が必要です。
映像ミキサーを組み合わせる
映像ミキサーが1台あると、いろいろな機材同士を組み合わせることができます。
最もオーソドックスなスタイルが、VJソフトが動いているパソコンとコンパクトDVDプレーヤーを組み合わせるスタイルです。この組み合わせは、パソコンの突然のフリーズにも対応しやすく、パソコンで扱うと容量の大きくなるような長い映像素材を使うようなプレイスタイルに重宝します。
また、VJソフトとVJソフトを掛け合わせる方法も現場では多く見かけるスタイルです。通常VJソフトはA・Bチャンネルを使って同時に2つの映像しかミックスすることしかできませんが、VJソフトを2つミックスすることで、最大4つの映像を同時にミックスすることができます。
このほか、ビデオカメラの映像をリアルタイムにミックスすることもできるので、VJソフトだけでは表現しきれない臨場感のあるプレイスタイルを行うことも可能になります。
映像ミキサーには、簡単な映像効果(エフェクト)も付いているので、実際にツマミをひねったり、スライダーを動かしたりして直感的に映像を変化させることができます。このあたりは実機ならではの魅力で、やはり手で実際に触って映像を切り替えてみると、VJソフトでは体験することのできないリアルな手触りを感じることができます。
それでは、代表的な映像ミキサーを4つ紹介します。
1つ目は、V-4(http://www.roland.co.jp/video/video_mixer/V-4.html)(EDIROL)です。優れたコストパフォーマンスを誇る、4チャンネルビデオミキサーで、全世界的な業界標準機と言われるほどのシェアを誇っています。
2つ目は、V-8(http://www.roland.co.jp/products/jp/V-8/index.html)(EDIROL)です。上記V-4の上位機種で、最大8チャンネルの入力に対応しています。
3つ目は、V-440HD(http://www.roland.co.jp/video/video_mixer/V-440HD.html)(EDIROL)です。ハイビジョン映像に対応したマルチフォーマット対応のビデオミキサーで、高画質なVJプレイには必須と言えるでしょう。
4つ目は、XV-D1000(SONY)です。筆者愛用のビデオミキサーで、美しいブラーが特徴ですが、残念ながら現在生産終了となっています。