連載 :
  ReadWrite Japan

緊急時に「助かる命」を増やす、6つの革新的ウェアラブルデバイス

2016年11月27日(日)
ReadWrite Japan

国土防衛科学技術理事会はスタートアップ企業や促進活動家、その他のパートナーと共に研究開発をおこない、ウェアラブルテクノロジーの推進するためのプログラムEMERGE 2016に参画するスタートアップ企業10社を発表した。このプログラムはTechNexusCITとも連携している。

警察や消防、救急などの緊急隊員からの「体に装着する電子製品やセンサー、通信が統合された装備」のニーズは非常に大きい。ハンズフリーなウェアラブルにさまざまな技術を統合することで他の装備を最小化し、より臨機応変に対応できるようになる。

「これは科学技術がイノベーションエコシステムに入り込む重要なステップだ。緊急隊員たちの既存の装備に統合できるテクノロジーを特定することが必要で、起業家たちはこういったイノベーティブなソリューションの最前線に立っている」と、DHS Under Secretary for Science and Technologyのレジナルド・ブラザーズ博士は語る。

このプログラムでは、参加するスタートアップ企業への緊急隊員からのフィードバックや、業界のパートナー・投資家、開発のための教育リソースの融通をしてもらうことができる。これらのリソースにアクセス可能となることで、市場評価やテスト、作り上げたテクノロジーを政府関係の分野を含むさまざまな市場に展開するための道筋を得る機会が生まれる。

以下、選ばれた10社の中から6つの革新的なウェアラブルを紹介したい。

HAAS Alert

HAAS Alertは、ドライバーやライダーに危機が迫ったとき、早期にアラートを送るV2Vモバイルプラットフォームである。音響センサーを使った車同士の通信プラットフォームで周りのノイズを拾い、ロケーションデータを使い街の人、もの、乗り物を繋ぎ、効率的に緊急通知を送ることでコミュニティの安全を守る。

Augmate

Augmateが開発したウェアラブル向け管理支援プラットフォームは、IT部門がユーザとデバイスのトラッキングを行い、センサーからのデータを集め、作業員と通信し、認められたアプリケーションの利用と状況に応じたコネクティビティを管理するものだ。作業場での各デバイスのバッテリー残量やロケーションビーコンを使った居場所のモニタリングが可能である。現在、製造業や採掘場などで良い実績を挙げており、緊急サービスにおいても大きく寄与するものになることだろう。

Command Wear

Command Wearが開発したソフトウェアプラットフォームは、緊急隊員が持っているスマートフォンやスマートウォッチ、タブレットと接続し、個人のトラッキングから双方向のテキスト通信、映像のシェアリングを通じて素早いレスポンスを支援し、状況把握と隊員の安全性の向上を図るものだ。ジオフェンシングにより、危険地域への侵入や任務場所からの離脱が確認された場合にアラートが出される。また、チームは任務中に起こったことのすべてを振り返ることができ、任務後の分析などに役立てることができる。

Lumenus

Lumenusは、LEDとコネクティビティを使って着用者の視認性を上げる服を制作した。同社は昨年、着用者が夜間でも容易に視認できるベストとバックパックでKickstarterキャンペーンをおこなったばかりだ。アプリとGPSによりサイクリストの安全を守るほか、使いやすい道案内やサイクリストが危険なところに入り込まないようルートを変更する機能も備えている。

Six15 Technologies

Six15 Technologies社は、公共安全やセキュリティ、緊急対応のためのウェアラブルソリューションの最前線を走っている。高解像度のヘッドマウントディスプレイと、コンピューティング/表示用ソリューションを含むOEMの光電子工学モジュールを備えており、このARプラットフォームは採掘業や製造業などで使われている。

Vault RMS

国家労働安全衛生機関が2015年に行った調査では、消防士は一般的な米国の労働者と比べ、ガンになる割合が2.3倍ほど高いことがわかった。それを受けてVault RMSはバイオメトリクスと状況のデータをウェアラブルや他のデバイスを通じて利用し、健康を害しやすい環境で働く労働者の長期的な健康上のプロフィールを得るためのソフトウェアプラットフォームを作り上げた。

例を挙げると、Vaultは労働者の火炎や発癌物質にさらされている状況をトラッキングし、診断書が必要なときにデータを提供する。これにより健康や安全面、ひいては全体生産性をも向上することができる。

EMERGEプログラムは緊急隊員や企業、投資家とともにテストをおこない、市場への道が開けるかどうかの結論を本年の終わりまでに出す予定だ。ウェアラブルが緊急隊員たちにとって命を助けるような重要なものとなり得ることを確認できる、いいチャンスである。

CATE LAWRENCE
[原文4]

※本ニュース記事はReadWrite Japanから提供を受けて配信しています。
転載元はこちらをご覧ください。

連載バックナンバー

Think ITメルマガ会員登録受付中

Think ITでは、技術情報が詰まったメールマガジン「Think IT Weekly」の配信サービスを提供しています。メルマガ会員登録を済ませれば、メルマガだけでなく、さまざまな限定特典を入手できるようになります。

Think ITメルマガ会員のサービス内容を見る

他にもこの記事が読まれています