ウェアラブル市場は上昇傾向にあるようだが、Android Wearの成長に加速は見られないようだ。2014年に販売されたAndroid Wearスマートウォッチはおよそ72万台と見られているが、Apple Watchはここ3ヶ月で360万台売れたという。
ではAndroid Wearは次の手はなんだろうか? iOSだ。
「Android WearウォッチはiPhoneと一緒に使えるようになる。Android Wear for iOSが今日リリースされる。これでiPhone(5/5c/5s/6/6Plus)とペアリングするだけで、シンプルかつ役立つ情報がスマートウォッチにやってくる」とGoogleのデイビッド・シングルトンは公式ブログで書いている。

Android Wear for iOS
ここでいう「シンプルかつ役立つ情報」とは、グランス通知、フィットネスフィードバック、Google Nowによるヘルプ機能だ(iOS向けGoogleアプリを通じて使うことが出来る)
後方互換性はないが、今のところLG Watch Urbaneが唯一Android Wear for iOSをサポートしているデバイスだ。グーグルはHuawei、Asus、Motorolaなどから今後出てくるモデルはアップル製品と一緒に使えるようになるという。
グーグルとアップル: お似合いのペアだ
グーグルのこの動きはそこまでびっくりするようなことでもない。既に同社からはいくつかのiOSアプリもでており、Chromecastもあまり面倒なことなくiPhone/iPadと連動させられる。グーグルが顧客に使ってほしいのはハードウェアよりも自社のサービスであり、今やiOSをつかってグーグルに取り囲まれた生活を送ることは、Androidで同じことをやるのと同じくらい簡単な事になった。
この開発は進行中とこれまで周りから予測されていたことだった。これが現実になることは我々も願っていたことであり、あるやる気のあるハッカーはMoto 360でこれを実現した。今となっては公式にサポートされている。
アップルがこういった動きを妨害する可能性はあるが、PebbleはiOS互換であり、iPhoneも他社のフィットネストラッカーやウェアラブルをサポートしている。Apple Kit同士で使うのがベストなのかもしれないが、アップルが自社だけで顧客の囲い込みを行うにはまだ手が足りていない。というわけでiTunesやiPhoneはWindowsでもサポートされ、今やiOSはAndroid Wearとも互換性を持つようになった。
今のところグーグルの動きがどのような結果を引き起こすのかは明らかではない。Android Wearの潜在的なユーザーはより大きなものになり、iPhoneユーザーはより多くのスマートウォッチの選択肢を得た。この事でグーグルはより多くのスマートウォッチを、アップルはより多くのiPhoneを売り上げることになるかもしれない。とすればWin-Winの関係だ。
iOSをサポートしたことでAndroid Wearが急激に伸びることは考えづらいが、この事で損をする事は何もない。Apple Watchが唯一のiOSおよびAndroid Wear両方で動くデバイスで無くなる事で、新しく出てくるアプリがApple Watchを見放すというシチュエーションも、可能性としてアップル幹部が寝不足に陥るような状況を作るとは考えづらい。
まだ決して多くはない、スマートウォッチが生活において必要だと考えている人たちの大半は、スマートフォンと同じプラットフォームを選択することだろう。Android Wearのハード・ソフトのエクスペリエンスはiPhoneユーザーをApple Watchから引き離そうと、今から競争力を増そうとしている。
画像提供:Google
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