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データを“貯めるだけ”の時代はすでに終わっている

2016年12月7日(水)
ReadWrite Japan

工業のオペレーター達はすでに大量のデータを抱えており、その量は増える一方である。GEとアクセンチュアが最近発表したレポートによると、ビッグデータのアナリティクスを重要なもののTop3に入ると考えている企業は80-90%に登ると考えており、来年の投資額が増加すると考える企業は76%になるという。データは様々な業界に渡って有用な回答を秘めており、新しい技術や収入源への道を開くものだ。

だがそこに至るまでに、データはただ集められるだけで無く、スマートな意思決定のためにより高度かつ高速に使われなければならない。それは工業IoT(IIoT)が提唱している事である。
工業生産性を次のレベルにあげる道は個々のマシン、そしてそれをコントロールするマシンから開けてくる。

IIoTは人体のようなものである

神経機能系は我々が環境に非常に早く反応し、効率的に行動する上で重要な役割を果たしている。同じような考えでいうと、マシンをコントロールするシステムはIIoTでの神経系にあたる。

だが従来のコントロールシステムは工業インターネットのポテンシャルを引き出すには全く足りていない。従来型のシステムは閉じたループの中でのみ機能し、決められたスケジュールで動く事しかできず、対応できる環境データはかなり限られている。自己完結的で他の工業システムとは限定的なやり取りしかできないか、あるいは全くやり取りが出来ない。こう言った従来型のシステムを利用している企業が利用できているデータは、持ってる資産の中で3%、たったの3%に過ぎない。

工業生産性向上の次の波はデータを機械によるアナリティクスを使ったオペレーションの自動的判断に利用する事により訪れる。マシンレベルのコントロールをただスマートなだけでなく、収集、処理をローカルで行う時同様、コネクテッドな状況でも行う必要がある。コネクテッドコントロールはローカルデータを処理能力が高いクラウドに送り、リアルタイムで意思決定を送り返してもらう事を可能にしてくれる。

いくつかの信頼性の高い決まり切ったコントロールに加えて、こう言ったコントロールも必要になってくるだろう。

さらに多くのデータを集めるよりも、より効率なデータの利用を考える

GEのアプローチは数千のマシンを大規模かつ安全に、信頼性とセキュリティを確保しながら繋ぐ工業インターネットコントロールシステム(IICS)を構築し、工場の隅々までコンピューティングを行き渡らせる事だ。IICSはGEが工業向けにOSを作り上げたPredixプラットフォームで工業資産を容易に繋ぐよう設計されている。

システムはインテリジェントコントローラ、I/Oモジュール、クラウドコネクティビティ、アナリティクスソフト、アプリから構成されている。例えばコネクテッドコントロールによりタービンを動かしているアプリが電気代をチェックし、稼働スピードを最適な状態に調節したりすることが可能だ。従来型のシステムは前もって設定されたスピードでタービンを動かし、収益性を左右する外的要因の変化を捉えることはできない。しかしこの新しいシステムなら動的な外的要因に対して最適化が可能となる。

他の例を挙げると、ガス火力発電がある。工業インターネットにより自動化されたコントロールにより発電所内全てのマシンの稼働状況とパフォーマンス、また他の電力供給源のコストや価格設定、需要と供給といった市場の状況などを明らかにする事が出来る。風力や太陽発電による電力需要が上下したりすればそれを知る事が可能だ。そこから価格設定を予測し、稼働率を上げる事でより多くの利益を上げ、将来のメンテナンス費用に備えると言ったことも出来る。

デジタルツインモデルは工場内資産すべての状態や性能についての詳細な情報を提供する事から、予測の精度は非常に高くなるだろう。

この工業のための新しい神経系統はレスポンス速度や要求される知見の精度に応じてクラウドからエッジデバイスの間で適切にデータ処理を割り振る事からビッグデータのさらに先を行くものとなる。異なる工業設備同士のやり取りやレスポンスの最適化を可能にし、集められたデータとマシンが置かれている物理面、環境面についての予測を組み合わせる。

その事が企業や顧客にもたらす利益は大きなものだ。メンテナンスは予測的なものにシフトし、機能不全や予想外のダウンタイムは激減する。生産効率や信頼性は上がり、コスト削減、利益の向上につながる。こうした利益やそれらをどれ程早く手に入れられるかは、工業インターネットのコントロールシステムの効率に大きくかかっている。

※著者はGE Automation & ControlsのCEOを勤めている

JIM WALSH
[原文4]

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