モチベーション別サイト構築の重要性
Webサイトを使う人を理解する
ユーザーは、Webサイトにさまざまな目的を持って訪問します。その目的をわかりやすく達成させるのがWebサイト構築時に重要なポイントです。
例えば、マンションを借りたければ不動産のサイトに訪問し、家具が欲しければ家具屋のサイトやショッピングサイトに訪問します。これは当たり前のことですが、テレビで流れている情報をほかのことをし「ながら」見ているマスメディアとは大きな違いがあります。
Webサイトは、自らが自分にとって必要な情報を求めて訪問するため、この部分を意識することでWebサイトの作り方が大きく変わります。
先日、某金融会社のユーザービリティテストを実行したのですが、テレビCMを見てWebサイトに訪問したユーザーと、何も情報を持たずに検索エンジンからWebサイトに訪問したユーザーとではWebサイトの使い方が大きく異なりました。
テレビCMを見て訪問したユーザーの行動パターンは、「詳細な金利や手数料のみ見る」「よくある質問を見る」「近隣の支店を見る」という詳細な情報を探す行動につながります。
しかし、テレビCMを見ずに何の情報も持っていない検索エンジンからWebサイトに訪問したユーザーの行動パターンは、「Webサイトが何のサイトなのか理解しようとする」「どんな特徴があるのか理解しようとする(自身にとってどんなメリットがあるのか)」、「どんな会社なのか知ろうとする(信頼できる会社なのか)」というようにまずそのWebサイトが自分にとっていかに有用でメリットがあるのか直感的に探し、そのあと詳細に情報を見ていきます。
そのためWebサイトに訪問する人は何を求めて訪問するのかあらかじめ考え、設計する必要があります。
図1は今回紹介するモチベーション別サイト構築(MTO:Motivation Optimization)の概要図になります。
モチベーション別にWebサイトは設計されているか
企業担当者であれば、自社サイトで「一方的に情報を配信し、興味を持ってもらったユーザーのみに来てもらえれば良い」という考え方は少ないはずです(現実には一方的に情報配信のみのWebサイトがほとんどです)。本来、今必要ではないが近々自社サービスや商品を利用していただくためにWebサイトをどうすべきかを考え、策を打つことが必要になります。
最近多い事例として、何の仕掛けや策もなくユーザーを囲い込いこんでいると勘違いし、広告の出稿やSEO対策をしている例が多数あります。SEM対策や広告を出稿して多くのユーザーにWebサイトを見てもらうことは重要ですし、悪いことではありません。しかし、一度出稿して効果がでると効果が下がることを恐れて、やめられない状態に陥ります。いつまでたっても予算と結果の日々の業務からは開放されません。
この問題を解決する策が今回のモチベーション別サイト構築(MTO)になります。ユーザーの先々のニーズに合わせモチベーションページを設け、各モチベーションの属性ごとにユーザーを囲い込み効果測定をしていくことで、現在から未来のユーザーに向けてどれくらい有効なのかを把握・改善していきます。
モチベーション別サイト構築(MTO)は、「ターゲットを見極める」「ユーザーニーズを時間軸で把握する」「ユーザーニーズの時間軸に合わせたコンテンツを決める」「モチベーションごとの効果測定KPIを決める」の4つポイントが重要になります。
次は、モチベーションを分けるためにターゲットを細分化してみましょう。