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BoschとNvidiaが自動運転技術向けAIスーパーコンピュータを開発中

2017年4月7日(金)
ReadWrite Japan

Boschが未来の自動運転車の頭脳を創りだそうとしている。

今週ベルリンで開かれたBosch Connected World 2017カンファレンスで、自動運転車用のオンボードコンピュータが披露された。

AIのおかげでコンピュータは機械学習が行えるようになった。AIオンボードコンピュータにより自動運転車は複雑な交通状況や、これまで経験したことがない条件下でも運転が可能になると考えられている。「我々は自らどのように操縦するのかを車にトレーニングしています」と、Boschの役員会長Volkmar Denner博士は語る。

Boschのセンサーは既に自動車が周囲の状況をモニターするために利用されている。AIを用いることでセンサーからの数値を理解し、周りの車の動きに対して予測を行うことが可能になるだろう。「自動運転により路上はより安全になります。そしてAIはその実現の鍵となるものです。我々は車をよりスマートなものにしていきます」とDenner博士は続けた。

NvidiaがBoschにマシンラーニングアルゴリズムが詰まったチップを提供する。AIオンボードコンピュータの生産は、早ければ10年後に始まる見込だ。

障害物検知などの機能に加え、AIを利用することでより自動運転車が状況を判断することがより容易になる。例えばウインカーを出している車は出していない車より車線を変更する確率が高い。そこでAIが備わった自動運転車は、やってくる車がいつ曲がるかなどの複雑な交通状況を判断し、自分自身の運転にフィードバックする。

コンピュータは運転中学習したあらゆることをAIニューラルネットワークに蓄える。専門家によって蓄えられた知識の正確さも見直され、更なる路上テストが行われる。こうして作り上げられたAIによる知見はアップデートのタイミングで、他のAIオンボードコンピュータにも伝播される。

NvidiaのCEO Jen-Hsun Huangは、自動車業界のAI革命におけるディープラーニングの重要性について語っている。「世界をリードするTier1の自動車メーカーのサプライヤー、それも世界で唯一のあらゆる自動車メーカーをサポートしている企業が量産車市場向けのAI自動車コンピュータを開発していると発表できることを光栄に思います」

初採用となるNvidiaのXavierテクノロジー

Nvidiaの次期テクノロジー Xavierが搭載されたDRIVE PXプラットフォームが初めて発表されたことは、NvidiaとBoschとの協業を象徴するものだ。Xavierは1秒辺り最大30兆回のディープラーニング処理を行うことができ、消費電力はわずか30Wに抑えられている。この処理能力は自動車業界が『Level 4の自律性』と呼んでいる、車が人の介在なしで運転できるレベルに達するのに必要なものである。様々なレベルの自律性を備えた自動車の台数は、2025年までに1億5000万台に達するとアナリストたちは予測している。

Huangは「Nvidiaは『Level3の自律性』(自動車は自動運転できるものの、さまざまな場面で人の介在が必要となるレベル)を年内に、Level 4を2018年末までに達成する」という。

現在の車は前にあるものを検知し、必要に応じてブレーキをかけることができるが、自動運転に求められる要求はより厳しいものだ。それに対してディープラーニングなら車をトレーニングすることが可能となり、ゆくゆくは人が運転するよりもはるかに上手かつ安全に走行することが可能となる。

「自動運転車の実現に向けたロードマップを推し進め、エンドツーエンドなディープラーニングソリューションの開発に打ち込んできました。現在ディープラーニングを利用する人のほとんどは我々のプラットフォームを使っています。言うまでもなく我々のゴールはいつか全ての車が自動運転車になることです。しかしその過程で我々はコパイロット(運転助手)となるAIを提供し、保護者となり、ドライバーに目をかけるでしょう」とHuangは語る。

ディープラーニングにより、AIコパイロットは顔を認識してドライバーごとの個人設定を行うこともできる。またドライバーがどこを向いているか、表情からドライバーの心理状態を読み取ることも可能となる。これらの情報と周囲に起こっていることを組み合わせ、AIコパイロットはドライバーが気づかない危険性を警告することができる。

更にこのシステムは唇の動きを読み取ることも出来るため、ラジオがうるさい状況下でもドライバーの命令を理解することができる。

AIに未来を見出すBosch

「自動運転があらゆる状況下で行えるようになればと思います。早ければ10年後、ドライバーいらずの車が当たり前となっていることでしょう。Boschは自動運転の実現に向けて、あらゆる技術面で前進しています。AI分野においても先導的な役割を担うことを目指します」とDenner博士は語る。

彼はさらにAIはBoschのビジネス上の鍵となるものであり、それは自動車関連にとどまらないという。「わずか10年のうちに、AIと関係のないBoschの製品など考えられないようになるでしょう。AIは製品に搭載されるか、あるいは製品の生産で用いられることになります。」今年の始め、同社は人工知能センターの設立を発表した。Boschはこの分野の開拓のために約3億ユーロを投資している。

CATE LAWRENCE
[原文4]

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