【マンガ】第36話 ~僕が就職活動をしなかった理由~

2018年3月11日(日)
高田 ゲンキ(たかた・げんき)
ベルリン在住のイラストレーター(兼漫画家)、高田ゲンキが送るコミックエッセイ
『ライフハックで行こう!』、第36話です(第35話はこちら)。

今回は就職活動について、就活をしなかった僕ならではの視点でお送りします!――


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意外と知らない人も多い「就活の常識」

今回は就職活動についてお送りしました。

僕は就活の常識とも言える知識を全く知らずに大学を卒業し、10年近く経ってから妻の口からその知識を知るわけですが、その時は本当に驚きました。しかし、それ以上に驚いたのは「多くの人にとってそれほど重要な事が、就職活動をする段階になって初めて知らされる」という事実です。

今の日本社会において大企業に入り活躍するためには、(なるべく偏差値の高い)大学を卒業し新卒一括採用枠で総合職を希望して就職活動をする以外にほぼ方法はないわけですが、実際には多くの高校生がこうした事実を知らずに進路を考えています。本来なら中学生くらいの時点でこうした知識を学ぶべきだと思いますが、現状ではそうはなっていないので、「大学に行けば将来的に就職に有利らしい」という漠然とした情報に従って、受験勉強をして大学に行き(あるいはそれほど勉強に適性を感じられない人は消去法的に高卒で就職という道を選び)、それほどしたくもない就職活動をして、特別な思い入れもない会社に入って熱意を感じられないまま仕事をする人も多いのです。

そして、この状態は職業と人材のマッチングの方法としては非常に無駄が多く、社会の損失になっていると感じています。自分がどのような人生を歩みたいのかイメージした上で、大企業で活躍したければ就職に有利な条件を得るために偏差値の高い高校や大学に進学するために努力するべきだし、逆にそうした働き方には関心がないのであれば、闇雲に受験や就職の競争に挑まずに自分の関心ある分野を極める生き方をすれば良いはずです。

また、最近は大学生から進路相談を受ける機会も増えましたが、クリエイター職志望などそれほど新卒カードの有無が関係ない学生も、一般的な就活期間内に就職先を決めようと頑張って消耗しているケースが多く見られます。場合によっては、在学中の内定を急ぐよりも、多少時間をかけてもスキルや経験を積んで中途採用を望むほうが希望の職種への近道となる場合もあるので、個々で就活リテラシーを上げて自分に合ったジョブハンティングをしていくのが良いと思っています。

少年よ、そして少女よ、大志を抱け!!

もうひとつ今回のマンガを通して僕が言いたかったのは「少年よ、そして少女よ、大志を抱け!!」ということです。僕は当時本気で音楽活動をしており、「音楽で成功する」と確信していました。純粋に音楽が好きだったのもありますが、正直に言えば「普通ではないことをして成功したい!」という野心の方が大きかったかもしれません。そして今、僕はかつての僕のようなアツい若者がもっと増えてほしいと思っています。

あまりにも多くの若者が就職活動開始の時期をタイムリミットにして夢をあきらめていますが、かつての僕のように「億単位で稼ぐためにでかいことをするから、就職なんてしていられない!」とアツく語る人がもっともっと増えてほしいのです。大きな夢や目標があるなら、まずはそれに向かって生きても良いのです。そういう意味では、最近は「新卒フリーランス」と呼ばれる、大学を卒業してすぐにフリーランスになる若者が徐々に増えているのは良い傾向だと思っています。また、かつてのバンドブームの代わりに、今はスタートアップがブームで起業しやすい環境が整いつつあるため、学生の起業などももっと増えてほしいとも思っています。

僕がそうした生き方を若い人に勧めるのは、大志に突き動かされて行動して大成功できればもちろん幸せですし、一方で、もし失敗したとしてもその経験もまた決して無駄ではなく、むしろ人生を豊かにしてくれるからです。僕の音楽活動も大学卒業の数年後に破綻し、結果的には挫折してしまいましたが、その過程で本当に貴重な経験ができ、フリーランスのイラストレーターとして活動する上でも大いに役立ちました。

もちろん僕は就職活動全般を否定したいわけではなく、「自分のやりたい仕事をするためには就職活動が必要」という人は大いに就活をしてほしいと思っています。ただ「本当は他にやりたいことがある」というアツい想いを抱いている人は、その気持ちの赴くままに生きる方が良いと確信しています。なぜなら、そうした行動は自分も他人も幸せにするからです。

【マンガ】高田ゲンキはThink ITから休暇をいただきますを読む

電子書籍、出ました!

『ライフハックで行こう!〜ThinkIT edition〜 僕らのベルリンライフ編』の電子書籍が出ました! 僕の視点から見たベルリンの魅力が詰まった一冊、是非お楽しみください!(本書はThinkIT掲載の1話〜8話に若干の加筆修正をしたものです)。

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著者
高田 ゲンキ(たかた・げんき)
ベルリン在住のイラストレーター/マンガ家。1976年生、神奈川育ち。 2004年にフリーランスとして活動開始以来、Macを中心としたフルデジタルでの制作環境を活かして場所や業界慣習にとらわれない自由なワークスタイルを確立。2012年に夫婦でドイツ・ベルリン移住。自身の仕事術やライフハック術、人生論、ベルリンの生活の様子などをブログ『Genki Wi-Fi』とマンガプロジェクト『ライフハックで行こう!』で発信中。ご意見、ご感想、応援のメッセージはこちらから。Twitter(@Genki119)でマンガ更新の告知や、おまけマンガを更新中! 是非フォローしてください!

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