間もなくサービス開始!注目のオンラインプロミング学習教材「テクノロジア魔法学校」はプログラミング教育をどう変えるのか
オンラインプログラミング教材
「テクノロジア魔法学校」とは
中高生のためのプログラミング・ITキャンプ/スクールを運営するライフイズテック社は、ディズニー世界が舞台となるオンラインプログラミング学習教材「テクノロジア魔法学校」を4月21日よりサービス開始する。
自宅からパソコン(Windows/Mac)で学ぶことができ、対象年齢は12歳以上。オンラインプログラミング学習教材とスタートキット(魔法の本)、オリジナルハガキ(学習の進度に合わせて送付)がセットになって分割払いの場合は月々10,600円、一括払いの場合は128,000円(税別)。学習できる言語はJavaScript、HTML、CSS、Processing、Shader。
「テクノロジア魔法学校」内に使われている映像や音楽はオリジナルで制作されているものに加え、ディズニー映画のワンシーンをそのまま使っている動画部分もあり、贅沢な世界観を体験できる。5分程度の小さな問題がいくつもあり、小さな問題を解いていくことでレベルが上がり、最後はメインのレッスンにトライ。テーマごとに一つの作品の物語で起こった出来事に沿ってプログラミング学習を進め、無事にレッスンがクリアできれば物語の続きが見られる仕掛けもある。
採用されたディズニー作品は、男女それぞれに好まれるものをバランス良く選択。「塔の上のラプンツェル」「リロ&スティッチ」「ズートピア」「くまのプーさん」「ベイマックス」「リトル・マーメイド」「アナと雪の女王」「アラジン」など人気の13作品を楽しめる。基礎編40時間、応用編60時間、計100時間分の学習コンテンツがあり、週1時間の学習でも約1年は楽しめることになる。
テクノロジア魔法学校のサービス開始に先駆けて、同社代表取締役CEO水野雄介氏、同取締役COO小森勇太氏に、テクノロジア魔法学校によるプログラミング学習のメリットと、プログラミング教育の現状と未来について話を聞いた。
情報格差・地域格差をなくすオンライン教育
現代は、どんな職業に就くにしてもITが必要な時代だ。Fintechなど、ITと縁遠いと思われていた金融分野や医療などの分野にもITが入りこんでいる。水野氏は、「最低限のリテラシーとしてIT技術を身につけておけば、英語と同じように好きな仕事に就ける可能性が高まる」と主張する。
すべての子どもがプログラマーやSEになるわけではない。しかし、「ITアレルギーがない状態の方が良い。英語が苦手だと海外に行けないのと同じで、ITリテラシーがあればどの分野でも活用しようと考えることができる。それが可能性を広げる」(水野氏)。
水野氏には、福島にいる甥っ子のことが頭にある。プログラミングに興味があっても、地方在住というだけで学ぶ機会がないことを残念に思うのだ。「情報格差や地域格差をなくしたい。すべての子が最大限に可能性を得るためにはオンライン教育が必要と考えてスタートした」(水野氏)。
学習が続かない? 学習継続のポイント
しかし、そのオンライン教育にも最大の課題がある。学習の継続性だ。「ハーバード大の調査でも、大人も含めオンライン学習の継続性はわずか5.5%という数字が出ている」と小森氏は問題提起する。しかし、これは「提供者側の問題では」と言う。「学び体験を高めれば、継続性はもっと上がるのではないか」(小森氏)と考えるのだ。
小森氏が考えるオンライン学習継続のポイントは、“動機形成”にある。動機は「〜になりたい」「〜できるようになりたい」などでなくても、単に「やりたい」「楽しそう」でも良い。テクノロジア魔法学校を開いて「『ここは魔法学校で、これからプログラミングを学んでいくよ』とミッキーに言われるだけでワクワクするはず。動機を形成し続ければ続くので、その気持ちをどう維持するかがポイント」(小森氏)と指摘する。
テクノロジア魔法学校における
学習を継続させる4つの仕組み
同社は、運営するITキャンプ/スクールで培った動機形成のノウハウをテクノロジア魔法学校にも活かしている。オンライン学習を継続させる仕組みとして、4つを用意しているという。
1つめは「ストーリー」だ。ディズニーキャラクターによる世界観と同時に、魔法学校で起こる冒険というストーリーが用意されている。数章立てで徐々に魔法学校の秘密が分かっていく仕組みとなっており、背景イラストはアニメの美術監督が描いている。「アニメ映画の劇場版くらいのクオリティになっている。小説やゲームにしても面白い」と小森氏は胸を張る。さらに脚本もアニメ監督によるものであり、ストーリーも体験も一流のものを作り上げた。
2つめは、3つのコースを横断的に学んでいく仕組みだ。「JavaScript」「HTML/CSS」「Processing」「Shader」といったプログラミング言語を用いながら「Webデザイン(ホームページ制作)」「ゲーム制作」「メディアアート」の3つのコースでプログラミングを総合的に学習していく。
「メディアアート」では、プログラミングとアルゴリズムでCGを生成し、動くアート作品が作る。「ゲーム制作」では、ディズニーのキャラクターを動かすことができるアクションゲーム、レースゲーム、神経衰弱、パズルゲームなどの色々な種類のゲームを作る。「Webデザイン」では、ディズニーキャラクターの素材を使用してデザインできるホームページ/Webサイト制作の知識を身につけることができる。
「一つだけだとアウトプットが限定されてしまうため、パズルゲームやWeb表現など幅広く作れるようにした。学ぶものやアウトプットするものを変えることで、色々なことができるようになっている」(小森氏)。
3つめは、同社の学習システム「MOZER」だ。その特徴はインタラクティブな「3秒ステップ・バイ・ステップ式」対話型学習システム。MOZERを使うと、紙や動画教材と比較した場合の学習速度は5倍以上になるという。「小さくてもユーザーにアクションを起こさせる仕組みにして、何もしない5分間を作らないようにした」(水野氏)。
「料理がたくさんあるとそれだけでお腹がいっぱいになってしまうが、わんこそばならたくさん食べられてしまう。学習も同じで量を消化することが大切だが、この仕組みなら大量に消化できる」(小森氏)。また、「新しいものを学ぶ際、『難しそう』とか『教科書が厚い』などの印象を与えないことが大切。『1ページだけ』なら見られる。これがオンラインの一番の良さ」とも言う。
4つめはリアルとの融合だ。学習がスタートすると、スターターキットとして「魔法の本」が自宅に届けられる。本を開くと、封筒の中に魔法の地図などが封入されており、それを見ながら謎を解いていく仕組みになっているのだ。魔法の本には、空白や欠けているページが目立つ。メインレッスンをクリアすると美しい映像が見られるだけでなく、自動的にオリジナルデザインの「魔法のポストカード」が届く。ポストカードを本に差し込んだり、シールを貼ったり書き込んだりしていくことで、冒険が進むにつれて魔法の本が完成していくというわけだ。
「『ポストカードを全部コレクションしたい!』という欲求で学習を継続したくなるのでは。オンライン通知は見なくても、モノが実際に届くので高いリマインド効果がある。リアルとオンラインのハイブリット教材になっており、通信教材の新しい形だと思う」と小森氏は自信を見せる。
ディズニーと思いが一致して制作が決定
テクノロジア魔法学校は3月6日より先行予約販売を行っているが売れ行きは好調で、「初回限定ナンバリングを施した魔法の本」と「白雪姫80周年オリジナルポストカード」を同封した特別初回限定モデルは売り切れて増刷したところだ。「北海道など、全国から注文がきている。地方格差が解決できそうという手応えを感じている」と水野氏。購買者の年齢層は子どもから大人まで幅広く、「感覚的に20〜40代が半数くらいを占める」という。「親御さんのリテラシーが上がるとお子さんとも一緒にできるので良いのでは」(水野氏)。
「子どもの教育」という部分でディズニーとライフイズテックの思いが一致して今回のプロジェクトを始めることになった。「これまでのオンライン教材ではお手本となるものがあるわけではなく、今までにないものを作っていたため手探りの中で正解を自分たちで探すのが難しかったが、とてもエキサイティングな経験だった」(小森氏)と振り返る。
プログラミングは現代の魔法
ライフイズテック社は今後、世界に向けてMOZERを展開していきたいと考える。プログラミング教育はようやく世間にも認知されてきた。「プログラミングができれば、自分のアイディアを形にできるようになる。一人でも多くの人に触れてもらいたいし、ディズニーのライセンスはそれを一般的にする力がある」と水野氏の言葉は明るい。
「プログラミングの本質はクリエイティビティにある。人類の歴史はテクノロジーの歴史であり、進化はテクノロジーの歴史。プログラミングは、自分が欲しいことやモノを形にできる力。プログラミング力をつければつけるほど人生の楽しみが増えるし、世の中はより良い方向に人類が幸せな方向に進むと信じる」(小森氏)。
「プログラミングは現代の魔法」という小森氏。4月21日のサービス開始に向けて、「自分の好きなものが作れ、世界を変えることができる願いを叶える魔法。少しでも多くの人に実感して、楽しさを感じてもらいたい」と思いを語った。
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