PCブラウザで携帯サイトのテストをする
テスト中のサイトに携帯から簡単にアクセスする
Firefoxでのテスト中に該当のページを、携帯端末実機で確認がしたくなることがよくあります。よく行うのがURLをコピーしてメールする方法です。1ページなら問題ないのですが、複数ページで何回も送るとなるとそれだけでおっくうになってしまいます。
「Mobile Barcoder(https://addons.mozilla.org/ja/firefox/addon/2780)」は現在見ているページのQRコードを表示してくれるFirefoxのアドオンです。アドオンをインストールした状態で図3のようにブラウザの右下の「Barcorde」のテキストの上にマウスを持っていくとQRコードが現れます。このQRコードを携帯のQRコードリーダーで読めば、簡単にアクセスすることができます。ちょっとしたことですが、テストの効率化には非常に有効です。
PCブラウザではテストできないこと
Firefoxのアドオンを使うことで、PC上でかなり携帯サイトのテストができるようになりました。しかし、アドオンを駆使してみても携帯端末の実機でしかテストできないこともあります。
その1つが「絵文字」です。Firefoxでも携帯サイトの確認ができるのですが、絵文字の部分は表示できず文字化けしてしまいます。そのため絵文字の表示テストを行うには携帯端末を利用するしかほかありません。ただし、docomoの絵文字は公式で出している「i絵文字(http://www.nttdocomo.co.jp/service/imode/make/content/pictograph/tool/)」というツールが用意されており、PC上でdocomoの絵文字を表示・入力することができるようになっています。絵文字を取り扱う携帯サイトのテスト時はインストールしておくと便利です。
「i絵文字(http://www.nttdocomo.co.jp/service/imode/make/content/pictograph/tool/)」はWindows専用のツールとなっています。また、auやSoftBankには同様のツールが用意されていませんので絵文字の確認は携帯端末をそろえて行う必要があります。
さらに、細かい画面表示も携帯端末で確認する必要があります。携帯端末では基本的にShift_JISやUTF-8の文字コードを利用しなければなりませんが、PC上のブラウザではEUCを含めて多くの文字コードを表示できます。そのため端末で見てみると実は文字化けしていたということもありえます
携帯端末はHTMLを利用しているといえども、tableタグが使えない機種があるといった、特殊な環境であることに違いありません。HTMLタグの利用制限や、そのキャリアでしか使えないといったタグも存在しているので、入念な確認が必要になります。また同じHTMLタグを使っていても、キャリアや機種によって見え方が全く違うといったこともあるので注意しましょう。
文字の大きさによるfontタグの指定も確認しておきましょう。1行に収まる文字数だと思って画面をデザインしていているにもかかわらず、端末によっては思わぬところで改行が入ったりということがありますので、端末で確認すると共に、もし改行になってもデザインが崩れたりしないかをチェックしておく必要があります。
そして携帯ならではの機能の1つである位置情報の取り扱いです。位置情報には大きく「基地局情報」と「衛星利用測位システム(GPS)の位置情報」の2つがあるのですが、その2つ共にPCブラウザ上からテストを行うことができません。各キャリア、携帯端末世代により取得方法も異なりますので、こちらも携帯端末実機で確認をする必要があります。
携帯端末でのテストが多いようにも思えますが、初期段階ではPCブラウザを使ってチェックする方法は非常に有効です。最初はPCブラウザで、細かいチェックは携帯端末でといった使い分けができるようになると良いでしょう。
ほかにも携帯サイトのテストツールとして、携帯端末のブラウザ機能を模したエミュレータがあります。エミュレータはPCブラウザよりももっと携帯端末に近い形でテストできるツールです。次回はこの携帯エミュレータについて紹介していきたいと思います。