Flash Liteのまとめと今後
Flash Lite 2.0&3.0について
現状はまだまだFlash Lite 1.1のみ対応している機種の割合が高いですが、対応機種の増加とともに2.0&3.0の制作の割合が徐々に高まっていくことでしょう。
2.0&3.0の仕様は、それぞれFlash7、Flash8に相当してくるため、Action Script 2.0を使用することができます。PC版のFlash制作の基本知識があればFlash Lite 1.1よりも作りやすいのではないでしょうか。
また、容量制限は1.1と同じく大きく変わりませんが、swfファイルを書き出す際にムービーの圧縮を行えるので、1.1と同じ容量だとしてもよりデータ量の多いコンテンツを作成することができます。ほかには、XML形式の読み込みが可能になったり、SharedObjectでのデータ保存が可能(softBankは機種によっては使用不可)になったりしています。
Flash Lite 3.0に関しては現状ではdocomoの最新機種などが対応しています。3.0の大きな特徴の1つとしてFLVが利用可能になっているのですが、残念ながらdocomoのFlash Lite 3.0では、FLVの再生がサポートされていません。そのほかの追加機能などもあまりサポートされていないため、結果的には3.0ではあるけど仕様的には2.0ととらえておいた方が良いでしょう。
2.0&3.0に関しては、まだまだ流動的な部分が多いので今後の動きが注目されます。同時に携帯コンテンツで表現できる幅が大きく広がっていくのは非常に楽しみな部分でもあります。
また、Flash Liteのバージョンだけではなく、携帯の機種数は今後さらに増加していくでしょう。ある程度、実機での動作テストは必要となってきますが、Adobe Device Central CS3の登場で、300種類以上の携帯デバイスの仕様を一度に比較したり動作確認などが可能となりました。さらに、端末の性能に基づくパフォーマンステスト、メモリ使用状況の確認をPC上で行えるようになります。今後、活用していきたいツールとなりそうです。
まとめ
さて、Flash Lite 1.1の解説を全5回にわたって連載させていただきましたが、いかがでしたでしょうか。
Flash Lite 1.1は非常に簡単で少し勉強すれば短期間でマスターできるような内容です。ただ、簡単であるからこそできることも多くはないため、複雑なコンテンツを作る場合は、いろいろと工夫してスクリプトを組んでいく必要もあります。また、携帯端末で再生するためさまざまな制限があることが少し難しい印象を与えているのではないかと思います。柔軟に対応していくためには、それ相応の経験値が必要となってくるでしょう。しかし、携帯ならではのアイデアや企画を考えるのは、PCコンテンツにはない魅力でもあります。
携帯コンテンツは今後どんどん成長していくと予想されます。ビジネスでも注目度は高い分野です。だからこそ今のうちに携帯Flashの経験を積んでおくと将来に役立つ可能性は非常に高いと思います。
なお、本稿の執筆にあたって、以下を参考にしました。
「mochikoAsTech」(http://mochikoastech.blog113.fc2.com/blog-category-8.html)(アクセス:2008/10)
「モバイルコンテンツ制作の最前線に革命をもたらす“Adobe Device Central”の魅力とは?」(http://ascii.jp/elem/000/000/042/42483/)(アクセス:2008/10)
「codeなにがし::【書きかけ】Flash Lite ファイル容量切り詰めTips」(http://code.nanigac.com/source/view/436)(アクセス:2008/10)
「特集1:携帯電話サイト こと始めリファレンス」『Web Designing 2008年7月号』毎日コミュニケーションズ発行(発行年:2008)