はじめよう!Red5プログラミング

2008年11月19日(水)
澤村 正樹

サーバーサイドプログラミングの準備

 Red5のサーバー側はJavaで書きます。開発にはJavaの世界で一般的な開発環境であるEclipseを利用するのが良いでしょう。Eclipseはこちらのページ(http://www.eclipse.org/)からダウンロードします。Eclipseを使って開発する場合は、まずはEclipseのワークスペースでコーディングし、それをRed5のwebappフォルダにコピーしてサーバーを再起動する、といった手順で行います。

 Ecplipseで新規Javaプロジェクトを作成し、図3-1のようなディレクトリ構造を作ります。

 プロジェクトのプロパティ設定からWEB-INF/srcをソース用フォルダに、WEB-INF/classessを出力ファイル用フォルダにそれぞれ指定してください。次にライブラリ設定からRed5をインストールしたディレクトリ直下にあるred5.jarを追加してください。またインストールディレクトリ下のlibフォルダにはいくつかのjarファイルが置いてありますので、必要に応じて追加してください。

 次にEclipse上のプロジェクトのWEB-INF直下に、Red5のインストールディレクトリ下の「doc/templates/myapp/WEB-INF/」にある以下のred5-web.xmlなどの4つのファイルすべてをドラッグして追加してください。これで準備は完了です。

サーバーサイドプログラミング

 それでは実際のコードを書いていきます。ソースフォルダにて新規パッケージを追加します。パッケージ下にApplicationクラスを書いていきます。Applicationクラスはred5のApplicationAdapterクラスを継承します。ソースとなるApplication.javaの全体的な構成は下記のようになります。

import org.red5.server.adapter.ApplicationAdapter;
public class Application extends ApplicationAdapter{
}

 このApplicationクラスで、例えば接続が成立した時に実行されるappConnect等のメソッドを定義していきます。

public boolean appConnect( IConnection conn , Object[] params ){
return true;
}

 このようにAppliationAdapterを継承したクラスにメソッドを定義していきます。

 コーディングが終わったら先ほどWEB-INFにコピーした設定ファイルを編集して、適切なURLで受けられるようにします。

 red5-web.propertiesは次のように編集します。

webapp.contextPath=/SampleApp
webapp.virtualHosts=localhost, 127.0.0.1

 red5-web.xmlは次のように編集します。

singleton="true" />

 ここまででEcplise上で問題がでていなければ、ワークスペースのファイル一式をRed5インストールディレクトリ下のwebappフォルダにコピーしてRed5を再起動します。

 サーバーサイドで任意のメソッドも描けます。もし、サーバーサイドでメソッドmymethodを書いたとするとクライアントのActionScriptからは下記のように呼び出すことができます。

nc.connect("rtmp://localhost/SampleApp"); //ncはNetConnectionオブジェクト
nc.onResult = function(obj) { trace("The result is " + obj); }
nc.call("mymethod", nc, "foo bar");

 いかがでしょうか。これでクライアントとサーバーとの開発の様子を一通り見てきたことになります。駆け足になりましたが、全体的なRed5開発のイメージをつかんでいただければ幸いです。

 次回は、Red5とその周辺のオープンソースによるFlash関連のプロジェクトをまとめます。お楽しみに。

 なお、本稿の執筆にあたって、以下を参考にしました。

「Red5 Example and Tutorials」(http://osflash.org/red5/help)(アクセス:2008/11)

NTTレゾナント株式会社
1976年生まれ、横浜国立大学電子情報工学科卒業。論文査読システムや写真ストックサイトなどのフロントエンドエンジニアリングを経て、角川書店系のウォーカープラス・ドット・コムにて各種サービス開発にかかわる。現在はNTTレゾナント「goo」にて検索サービスを中心としたエンジニアリングとユーザーインターフェース設計、および新サービスの企画立案に携わる。gooラボ:http://labs.goo.ne.jp/

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