動画配信規模とコストの関係はどう?
大規模動画配信について
大規模動画配信の場合は、動画配信の企画・構成に合わせて、フルオーダーメードでフルカスタマイズでの対応になります。
第3回(http://www.thinkit.co.jp/article/153/3/)で紹介したようにCDNなどの冗長化構成・分散配信拠点で構築します。ホスティング業者では、例えばJstream(http://www.jstream.jp/)やGyaO STREAM(http://www.gyao-st.biz/)などが知られています。
決済システムやユーザー認証管理システムも、何十万から何百万規模を処理しなければならないので冗長化構成しています。これらの規模を処理するため、費用も高額になります。
図3は、イベントの大規模動画配信の現場です。このクラスになると、さすがにコストは数千万円台になります。
大規模な動画配信となると映像部門もある程度規模が大きくなり、図3の前方は放送局の調整室っぽくなります。カメラの台数もそれなりに入っていますし、イベント会場のプロジェクタ映像もここで管理しています。図3の後方の動画配信部門では、リアルタイムエンコードをしてインターネットへ配信しています。ライブ配信でも当然、映像関係者との連携が重要です。
動画配信部門はライブ配信中、ストリーミングサーバー部門やユーザー認証管理部門と密に連絡を取り合い、同時アクセス数やストリーミングサーバーの負荷状況などを確認しています。
動画配信できて当たり前の時代!
本連載では動画配信の方法を説明してきましたが、テレビ放送に例えるなら、「どうやってテレビは放送されているか?」を説明してきたのと同じです。
でも実際、筆者も含めて「どうやってテレビは放送はされているか?」について考えていないと思います。
テレビではスイッチオンですぐ番組が見られるように、現在ではブラウザを開いて動画を見ている。こういう時代に突入しているのです。
何も、エンコード方法など視聴者にとっては関係ないのです。第1回(http://www.thinkit.co.jp/article/153/1/)で色空間について取り上げましたが、このようなこともアプリケーションによっては自動補正しているのです。
こういう時代では、動画をキレイに視聴できて当たり前の時代ですから、バックグラウンドの動画配信方法など視聴者は考えていないのです。
現に、この原稿を書いている最中にも、動画配信のノウハウがないWeb制作会社から、「クライアントから『早く動画配信できるようにコンテンツ作れ!』というクレームがきて大変です!助けてもらえませんか?」という問い合わせが入っています。
クライアントの方が動画配信についてよく知っていて、Web制作会社に「なんでお前の会社は動画配信できないの?」と言っているのです。
動画配信できて当たり前の時代!
では、その先は?
Webコンテンツ内容や映像の中身が問われることになるのです。