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【フューチャー セッション】ブレーク スルーとイノベーションを実現する最新テクノロジーたち

2019年10月25日(金)
工藤 淳

イノベーションのさらなる未来に向け、日本マイクロソフトによる「Microsoft Innovation Lab 2019」が開催された。第1回となる今回は、国内の有力スタートアップや政府関係者によるセッション。また、デジタル分野で革新的なプロダクト/サービスを持つスタートアップ企業を集めた「ピッチ コンテスト」などが行われた。ここではキーノートセッションから、「ソサエティー5.0(Society 5.0)」を可能にする最新技術を紹介した「フューチャー セッション」を紹介する。

【特別ゲスト】
平井 卓也 氏
IT・科学技術担当大臣(当時)

【スピーカー】
西脇 資哲 氏
日本マイクロソフト株式会社 業務執行役員 エバンジェリスト

かつてない超高齢社会に対応するため
「ソサエティー5.0」で新たな社会創造を

今回のイベントで、マイクロソフトの最新テクノロジーを紹介する場として注目を集めたフューチャー セッション。冒頭では、IT・科学技術担当大臣(当時)の平井 卓也 氏が登場し、政府が提唱する未来社会のコンセプトであるソサエティー5.0について語った。

IT・科学技術担当大臣(当時) 平井 卓也 氏

ソサエティー5.0は、2016年1月に策定された「第5期科学技術基本計画」で、わが国が目指すべき未来社会の姿として初めて提唱されたものだ。そのあり方は、サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する人間中心の社会(Society)として定義されている。

だが、いまだにその実践計画や方向等は未知数だ。というのも、ソサエティー5.0というイメージを明確に表す言葉が、今のところ存在しないからだと平井氏は語り、「その実現に向けて考えなくてはいけないのは、日本の人口構成図がガラッと変わってしまうことです」と指摘する。

かつての日本は50歳以上の人口比率が15%程度だったのが、令和という時代に入ると50歳以上が人口の約60%、55歳以上が約40%で安定すると予測されている。50歳以上が20%を占める社会は、これまで世界に存在したことがない。そうした新しい社会をどうサイバーフィジカルに創っていくかが、これからの重要課題になると平井氏は強調する。

令和時代には50歳以上が人口の6割に。この課題を解決するものがソサエティー5.0だ

「国民全員が、たとえば障がいを持つ方でも高齢者でも社会に参画できる、日本は良くなったとみんなが思える社会をデジタルテクノロジーで作れるかどうかが問われているのです。そこで生み出された成果を、やがて日本と同じような高齢化を迎える欧米や他の国々にも提供できるよう、今から探っていきたいと考えています」。

デジタルファースト法などを追い風に
日本社会全体でデジタライゼーションを推進

さらに平井氏は、マイクロソフトがこれまでの成果を踏まえた上で、クラウドをはじめとした新たなテクノロジーの変化=デジタルトランスフォーメーションにチャレンジしていることを高く評価。一方で、日本が平成の時代を通じて、そうしたトレンドにコミットしきれていなかった事実を指摘した。

停滞の理由として、平井氏は「デジタル化」の解釈の違いを挙げる。過去の日本の「IT化」「デジタル化」は、既存のアナログ技術をデジタルに置き換える「デジタイゼーション」が主流であり、ビジネスモデルやソリューションのあり方そのものを変革する「デジタライゼーション」とは大きく異なっていた。その遅れを挽回するためにも、今後、一気にデジタルトランスフォーメーションを推進しなくてはならないという。

その原動力となるのが、2019年5月に成立した、行政手続きを原則デジタル化する「デジタル手続法(デジタルファースト法)」だ。これにより、さまざまな申請や通知などの行政手続きがオンラインで実施されるようになり、紙からデジタルへの移行が急速に進むと考えられている。もちろんこれだけでは「デジタイゼーション」だが、平井氏は「この結果、国がネットワークを通じたプッシュ型のサービスなどを積極的に展開することで、国民がとても便利になったと感じてくれるようになる。そこを糸口に、真のデジタライゼーションに踏み出していけるのです」と説明する。

また、これまで政府調達予算、約7000億円のうち、維持・管理・保守のコストが約6割を占めてきたが、この構造を変革するために、これまで省庁ごとに予算要求してきたITシステムを内閣官房に一元化する改革を行った。同時に決定された政府のクラウド利用基本方針「クラウド・バイ・デフォルト原則」は、政府全体でクラウドを利用することによって、大幅なコスト抑制を実現する基盤になっていくという。

「もちろん国や行政が変わるだけでなく、その結果、国民の皆さんが利用するさまざまな手続きが本当に便利にならなくてはいけません。それには従来の行政手続きをそのまま電子化するのでは不十分です。その仕組みやあり方から根本的に刷新していくことでデジタライゼーションが社会全体で進み、ソサエティー5.0に踏み出していけると考えています」。

どこでも、誰にも心地よい働き方をもたらす
Office 365によるワークスタイル改革

続いて登壇した西脇氏は平井氏の講演内容を受けて、「国民一人ひとりにとって圧倒的な使いやすさ、心地良さを目指しているのがソサエティー5.0です。そうなれば、私たちの働き方も当然心地良くならなければなりません」と切り出し、ワークスタイル イノベーションとそれを実現するOffice 365の具体的な機能のデモを披露した。

日本マイクロソフト株式会社 業務執行役員 エバンジェリスト 西脇 資哲 氏

最初に採り上げたのは「Microsoft Teams」だ。一般にグループチャット用のツールと認識されがちだが、実はOffice 365に含まれる複数のソフトウェアの機能を、その都度ソフトウェアを切り替えることなくシームレスに連携させながら利用できる。いわば「Office 365 のハブ」となってチーム全体の⼒を引き出す、ワークスタイル変革のプラットフォームである。

「Microsoft Teamsを使えば、チーム全員が同じ日時に同じ場所に集まることが難しい場合でも、あたかも一つの会議室にいるかのように情報を共有し、それをもとに意見を交わし、一緒に資料を編集していくことができるのです」と西脇氏は説明する。

デモでは、自分の所属するチームを含む社内全体の組織図やメンバーのリスト、掲示板やチャット、さらにおなじみのExcelやPowerPointなどが一つの画面に統合されている様子をスライドで紹介。紙の印刷物の図版をスマホで撮影し、それをOffice 365のAI機能が認識、グラフに加工してPowerPointのドキュメントに挿入されるまでのプロセスを、西脇氏自身がステージ上で実践してみせた。

もう一つのデモの目玉は、ビジネス向けの対話型ホワイトボード「Surface Hub 2S」だ。これはいわばデジタル化されたホワイトボードで、社外からもスマートフォンやタブレット、ノート PCなどの端末からアクセスできる。リモートワーカーと社内のワークスペースを接続し、チームでの協業を飛躍的に便利かつ効率的に変える、新しいコラボレーションデバイス製品だ。すでに予約受付が始まっており、2019年9月から順次出荷されている。

デジタル化されたホワイトボード「Surface Hub 2S」。PCはもちろんスマホやタブレットからもアクセス可能だ

ステージ上では、スマートフォンを手にした西脇氏が、外部からのサインインが非常に簡単かつセキュアに行える点を紹介。日本マイクロソフト社内のチームメンバーと会話しながら、Surface Hub 2S上に付けられた4Kカメラで動画を撮影・共有したり、物理ホワイトボードの上に書かれた図表をスマートフォンで撮影して、Surface Hub 2S上のモニターに転送したりといった活用法を実演してみせた。

「Surface Hub 2S」の特長。テーマは「無限に広がるチームワーク」

クラウド、ブロックチェーン、そしてVRまで
最新の技術で希望にあふれた次の時代を拓く

デモの後半では、サーバーサイドに焦点を移して、クラウドコンピューティングに関連した最新のテクノロジーが紹介された。

現在、IT関係者のみならず社会が直面している最大の課題の一つが、データ量の増大だ。西脇氏によれば、世の中にあるデータの90%はここ2年間で生成されたものだという。この事実からも、今後の増加の勢いと喫緊の対応が求められていることは明白だ。

「そこで、この膨大なデータをクラウドに格納しようということになる。しかし従来のクラウドは、データベースでは容量に制限があってとても足りない。それが Microsoft Azureのデータベース ハイパースレッディング機能を使えば、データ量の増加に応じて最大100TBまで拡張できるのです」。

西脇氏はこの実例として、「Azure SQL Database Hyperscale」によるスケールアップのデモを紹介。他社クラウド上で稼働しているデータベースにどんどんデータをロードしていき、ストア上限の16TBで打ち止めとなったタイミングでAzure SQL Database Hyperscaleに切り替えた途端、データのロードが再開される様子を披露した。

「Azure SQL Database Hyperscale」の特長。クラウドコンピューティングの最新技術だ

この他にも「Azure Sentinelを活用したセキュリティ運用」や、AIを応用したオンライン麻雀プラットフォーム「天鳳」、さらにブロックチェーン領域におけるユーザー企業の導入事例などが紹介された。

マイクロソフトのAI「スーパーフェニックス」を応用した世界最強の麻雀AI「天鳳」

今回、サーバーサイドソリューション以上に参加者の注目を集めていたのが、Mixed Reality(MR)領域の新製品「HoloLens2」と「Windows Azure Kinect」だろう。ここでは視覚効果を最大限に生かして、バーチャル空間で多面の立体に触れてさまざまな形に変化させる操作や、「バーチャル手乗り鳥」、さらに「バーチャルピアノのデモ演奏」などが次々に紹介され、会場からはそのつど感嘆の声が挙がった。

「バーチャルピアノ」のデモ演奏は特に会場の注目を集めていた

「このVR を使ったホログラム映像に、2020年からサービスが始まる5Gの技術を掛け合わせることで、さらにすごいことができるようになります。すでに当社でも、5G ネットワークを利用したホログラム転送検証など、主要キャリアとの共同検証を進めています」。

最後にセッションの締めくくりとして、再度、平井氏がホログラムで登場。自身の事務所で撮影・転送されてきたホログラム映像から「デジタライゼーションによって、次の時代をより豊かで希望にあふれるものにするために、ソサエティー5.0を進めていかなくてはなりません。ぜひ、皆さんの力を貸してください」と呼びかけて、セッションの幕を閉じた。

セッションの最後には自身の事務所で撮影し転送した「ホログラム平井」が会場に登場

フリーランス・ライター兼エディター。IT専門出版社を経て独立後は、主にソフトウェア関連のITビジネス記事を手がける。もともとバリバリの文系出身だったが、ビジネス記事のインタビュー取材を重ねるうち、気がついたらIT専門のような顔をして鋭意お仕事中。

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