Linuxってなに?
Linuxの基礎知識
LinuxはオープンソースのOSです。Linuxはサーバーから、デスクトップ、組み込み用途まで幅広く使われています。とりわけ、UNIXというOSを置き換えるサーバー用途に多く使われています。TCP/IPが発明された後に誕生したLinuxは、ネットワークと親和性を最初から意識して作られており、さまざまなサーバー機能を提供することができます。1990年代のインターネット黎明期に急速に普及しました。本書では、Red Hat Enterprise Linux 7(RHEL 7)というLinuxディストリビューションを用いて、さまざまなサーバーとしての使い方を解説します。
Linuxの誕生と普及
Linuxは、Linus Torvalds氏がヘルシンキ大学の大学院生だったときに開発したのが始まりです。誰もが自由に改変・再配布できるGPLというライセンスに基づき、無償で公開されたことにより、多くの開発者の賛同を得ることに成功しました。その結果、Intelのx86系CPU以外にも、AlphaやPowerPC、ARMなど幅広くさまざまなプラットフォームに移植されました。
現在では、その適用範囲はサーバーだけではなく、街角にあるデジタルサイネージ(電子看板)や、いつも持ち歩くスマートフォンなどにも採用されています。Googleが開発しているAndroidや、Mozillaが開発しているFirefox OSなどスマートフォン向けのOSも、今回の主役であるRed Hat Enterprise Linuxも見た目は違えど、同じLinuxカーネルを採用しています。
Linuxカーネルとディストリビューション
Linuxカーネルは、OSの中核となる部分でアプリケーションとハードウェアの橋渡しを行います。主な役割としては、プロセス管理やメモリー管理、デバイス管理などがあります。また、アプリケーションに対して、カーネル内部の機能を呼び出すためのシステムコールという特別な関数を提供します。
カーネルが各種ハードウェアを抽象化する仕組みを提供することで、異なるメーカーのコンピューターであっても、CPUのアーキテクチャーが一緒でありデバイスドライバーさえ用意されていれば同じアプリケーションを動かすことができます。また、CPUのアーキテクチャーが異なっていたとしても再コンパイルして大規模な移植作業なしに動かすことができます。
Linuxカーネルを主軸として、各種コマンドラインツール、ライブラリ、ユーザーインターフェイス、ドキュメントなどを同梱した配布形態を、ディストリビューションといいます。
平 初 著/できるシリーズ編集部 著 |
できるPRO Red Hat Enterprise Linux 7新人のIT管理者向けにビジュアルを使い、RHEL 7の基本操作、サーバー構築について、ハンズオン形式で解説します。Red Hatログインのアカウントを作成し、RHEL 7の評価版のダウンロードから始め、OSのインストールと操作の基礎を学んだあと、企業内で利用する各種サーバーを構築します。RHELは、企業内の基幹業務システムの運用を目的としたOSであるため、システム管理、各種サーバーの構築など、運用管理の応用に重点を置いています。また、RHEL 7で一新された、新しい管理手法を学ぶ技術者にも役立つ内容です。 |
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