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サウンド編集の新定番SoundBooth

2009年1月7日(水)
林 拓也

SoundBoothがWeb Premium入り

 Adobe CS4製品群ではWeb PremiumのパッケージにSoundBooth CS4が組み込まれました。SoundBoothはCS3で初登場した新しいアプリケーションということもあり、あまり認知されていないのではないでしょうか。今回はSoundBooth CS4の基本機能と特徴について紹介します。

 デジタルコンテンツ制作に長くかかわっている制作者の方は「サウンド編集アプリケーションの定番」というと旧Macromedia社から1990年代にリリースされたMac用アプリケーションのSoundEdit 16を思い浮かべるのではないでしょうか。

 SoundEdit 16の開発終了後から近年にいたるまで、サウンド編集アプリケーションの定番とまで言えるアプリケーションはありませんでした。近年ではブロードバンド環境の普及に伴い、ビデオ、サウンド系のコンテンツも飛躍的に増加しています。今回SoundBoothがWeb Premiumのメンバーとして入れられるようになったのには、このような背景からだと考えられます。

 SoundBoothはAdobe社と旧Macromedia社が統合してから新しく制作されたアプリケーションで、旧Macromedia社のオーサリング系アプリケーションともAdobe社のビデオ系アプリケーションとも相性が良く、まさにサウンド編集アプリケーションの新定番と呼ぶにふさわしいものになっています。

 SoundBoothの基本的かつ大きな特徴として、サウンドファイルだけでなくビデオファイルのサウンドトラックの編集が行えるという点があります。

 サウンドファイル編集とビデオファイルのサウンドトラック編集は、それぞれにワークスペース(パネル類のレイアウト)が用意されています(図1-1)。サウンド編集の操作方法はどちらでも変わりないのでスムーズな作業が行えます。

 ビデオは各種汎用ファイル形式のほか、flv/f4v形式に書き出すことができるのも大きなポイントです(図1-2)。flvはFlash Player 8までで再生できるFlashビデオファイル形式、f4vはFlash Player 9(9.0.r115以降)でサポートされた、H.264コーデックが使用されたビデオファイル形式です。これらはFlash Media Encoder CS4でも作成できますが、サウンドデータの編集時にSoundBoothからそのまま書き出せるのはワークフロー的に優れた選択肢となるでしょう。

SoundBooth CS4の新機能

 SoundBooth CS4の新機能としては、3つ挙げられます。

 1つ目は、f4v形式の書き出しができることです。flv形式の書き出しは、SoundBooth CS3で既にサポートされていましたが、f4v形式の書き出しはCS4からサポートされました。

 2つ目は、マルチトラックがサポートされたことです。例えば、ビデオのもともとのサウンドにBGMやナレーションなどを追加し、個別に制御するといった操作が可能になりました。このような操作が、ビデオ編集アプリケーションを使用することなく可能になるのは、Web以外でビデオを扱うことの少ないクリエイターにとってはありがたいことでしょう。

 マルチトラックデータは、CS4で新たに作られたasnd(Adobeサウンドドキュメント)形式で保存されます。SoundBoothではサウンドに対するエフェクト設定などの各種処理状況を「ヒストリー」として一時的に保持しています。あるヒストリーの状態を「ヒストリースナップショット」として保持しておくと、すぐにその状態に戻ることができます(図1-3)。

 asnd形式以外のファイルでも、そのファイルを開いている間だけはヒストリースナップショットが保持されますが、いったん閉じて再度開いたときにはそのファイルに関するヒストリースナップショットは失われます。asnd形式ではファイルの情報としてヒストリースナップショットを保持しているので、中間ファイルとして便利に使うことができます。

 asnd形式はFlash、Premiere、After Effectsといったアプリケーションで読み込むことができるので、コンテンツ制作のシーンでは新たな標準サウンド形式として認知されていくかもしれません。

 3つ目は、スピーチ検索の埋め込みです。スピーチ検索の埋め込みは、サウンドファイルやビデオファイルのサウンドを解析し、ナレーションをタイムコードに関連付けられたテキストとして書き起こしてくれる機能です。書き起こされたテキストはメタデータとしてファイルに埋め込むことができます(図1-4)。

 メタデータの検索に対応した検索エンジンやアプリケーションであれば、特定のキーワードを含むサウンドファイルやビデオファイルを見つけることができるのでソースの管理に非常に役立ちます。

 ただし、ナレーション以外にBGMや環境音などが入っていると解析精度が低下してしまうため、既存のさまざまなデータに対して普通に使えるというものではありませんが、特定のジャンルでは非常に役立つ機能です。

 SoundBooth CS4は初めてのアップグレードを経てグッとよくなった印象です。Web Premiumを購入したWebクリエイターの方はぜひ使ってみてください。

 次回は、Media Encoder CS4で可能になったH.264圧縮のFlashビデオファイルの作成について紹介します。

Flash オーサリングエンジニア,アドビ認定インストラクター,ロクナナワークショップ講師。各種Webコンテンツ制作や,少人数ハンズオントレーニングから大規模なセミナー講師など幅広く活躍中。各種学校のカリキュラム・教材製作をはじめ,ActionScriptに関する書籍も多数執筆。http://67.org/ws/instructor/hayashi.html

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