iGoogleの新機能、キャンバスビューとは
まだ盛り上がっていないガジェット開発市場
しかし、残念ながら今のところ、iGoogleのガジェット開発市場は盛り上がっている!という状況ではないと思います。提供されているガジェットのリスト(http://www.google.co.jp/ig/directory?hl=ja&root=/&cat=featured)をみても画期的というものは少ないですし、新しいものがどんどん追加されているという状況でもありません。
それに比べると、2008年にAppleから提供されたiPhone向けのアプリケーション開発市場は、非常に盛り上がっていると言えます。新しいアプリケーションもどんどん追加されていますし、モバイルならではの新しいアイデアにあふれたアプリケーションが登場してきています。この差はどこから来るのでしょうか。
ひとつは、iPhoneそのものが新しいデバイスなので、開発者そのものの好奇心を刺激していることがあると思います。もうひとつは、開発者がアプリケーションを販売してマネタイズができる仕組みをAppleが提供したことにあると思います。特に後者の価値は大きく、開発者はiTuneに統合されたAppStoreを通じて簡単にアプリケーションを配布させることができ、さらには収益を得ることができるのです。こうなると開発のモチベーションも変わってきますので、開発市場も活発になるのも当然と言えます。
iGoogleのガジェットでもマネタイズできる仕組みがあれば、今以上に開発市場は盛り上がるのではないでしょうか。
ガジェットでマネタイズができる
実は今回新しく追加されたキャンバスビューには、マネタイズできる可能性があります。何とこのキャンバスビューでは広告を表示することが許可されました(図3)。
広告を配置する広告プロバイダーに制限はありません。ただし、表示できるのはキャンバスビューの時のみで小さく表示されている時(ホームビュー)は禁止されています。これは小さい表示だと広告表示とコンテンツの区別がつきにくいからとのことです。レギュレーションに関しての詳細は、「iGoogle ガジェット(http://code.google.com/intl/ja/apis/igoogle/faq.html)」を参照ください。若干の制限はありますが、ガジェット開発者に対して、収益をあげる道を提供したというのは大きな進展ではないでしょうか。
また、iPhoneのAppStoreのように「ガジェットそのものにも課金できるようになる計画(http://jp.techcrunch.com/archives/20081113social-network-apps-to-finally-monetize-within-the-year/)」も示唆されました。各OpenSocial対応SNSで共通で使えるシステムになるだろうとのことですが、全容はみえていないので、最終的にどういう形になるかはまだわかりません。
ひとつの可能性としては、ガジェットポータルのような専用サイトが立ち上がり、そこからガジェットの購入、さらにiGoogle、MySpaceといったコンテナに対して直接インストールできるといったような形態も考えられるのではないでしょうか。そのようなポータルができることで開発者は自分のガジェットの露出を増やすことができ、よりインストールベースをあげることもできるかもしれません。何にせよ、今後ガジェットのマネタイズの仕組みが整備されていくことは間違いないでしょう。
このようにiGoogleガジェットをとりまく環境は2009年から大きく状況が変わり、今まで以上に魅力的なプラットフォームになりそうです。ぜひ皆さんもこの流れに遅れないよう、今からキャンバスビューに対応したiGoogleガジェットを作ってみませんか。さらにそのガジェットはmixi(http://mixi.jp/)やgooホーム(http://home.goo.ne.jp/)で使うこともできることになるでしょう。うまくいけば、そのガジェットで収入が得られるかもしれませんね。
【参考文献】
「OpenSocial」(http://code.google.com/intl/en/apis/opensocial/)(アクセス:2008/12)
「OpenSocial Foundation」(http://www.opensocial.org/opensocial-foundation/)(アクセス:2008/12)
「Google-Gadgets-API-Japan」(http://groups.google.com/group/Google-Gadgets-API-Japan)(アクセス:2008/12)
「iGoogle ガジェット新旧 API の相違点まとめ - WebOS Goodies」(http://webos-goodies.jp/archives/51367359.html)(アクセス:2008/12)
「ソーシャルネットワークアプリ、来年ついに収益化へ」(http://jp.techcrunch.com/archives/20081113social-network-apps-to-finally-monetize-within-the-year/)(アクセス:2008/12)