モーショントゥイーンとTweenクラス
Tweenerクラスで複雑なトゥイーンを実現する
前項で解説したTweenクラスは、1つのTweenオブジェクトにつき、1つまでのプロパティの変化しかサポートされていません。複数設定するためには、その数分Tweenオブジェクトを生成する必要があります。そんな問題を解決するのがTweenerクラスです。このクラスはflパッケージや、リファレンスをいくら探しても見つかりません。なぜならTweenerクラスは、マサチューセッツ工科大のチームが開発したライブラリだからです。Tweenerクラスをインポートすることによって、簡単に複数の複雑なトゥイーンを実現できます。Tweenerクラスは「tweener - Google Code-(http://code.google.com/p/tweener/)」からダウンロードできます。
Tweenerクラスは、基本的に次のように定義します。まず、Tweenerクラスをインポートし、caurina.transitionsパッケージに格納されていることを確認してください。
次に、トゥイーンを実行するTweenerクラスのaddTweenメソッドを定義します。
第1引数には対象となるオブジェクトを指定します。Tweenクラスと異なる点は、ここでオブジェクトを複数指定したArrayクラスを指定することによって、複数のターゲットに対し同様のトゥイーンを実行できることです。
次に第2引数ですが、ここにもオブジェクトを指定します。ここでのオブジェクトは、各プロパティを設定したオブジェクトになります。Tweenクラスのように、初期値を指定する必要はありません。プロパティのtransitionには、イージングの種類をストリングで指定します。
Tweenerクラスでは、イージング関数は用いず、独自のイージングを実装しています。ここで指定している「"liner"」は、NoneクラスのeaseNoneメソッドに相当します。リスト4の定義だと、testObjがx座標430に向かって3秒かけて20度に傾きながら等速で進みます。とても簡単で直感的にトゥイーンを実現できます。
複雑なActionScript 3.0を強力にサポートするライブラリ・エディタ
ActionScript 3.0は確かに複雑なクラス群があり、初心者には敷居が高いイメージがあります。しかし、今回解説したTweenerクラスをはじめ、物理系や3D系など、ライブラリを使用することによって、簡単に複雑な処理をすることが可能です。さまざまなライブラリが出ていますので、ぜひいろいろお試しください。
Flash CS3でのコーディングに不満がある、という方も多いでしょう。インポート文を何回も書いたり、長いスクリプトにうんざりするのもうなずけます。そこでお勧めしたいのは、外部エディタです。中でも、FlashDevelop(http://www.flashdevelop.org/community/)はActionScript 3.0を強力にサポートしています。コード補完はもちろん、「インポート文」「ファンクション」「変数の自動生成」「スニペット機能」などの魅力的な機能が満載で、しかもフリーで配布されているエディタです。FlashDevelopとFlash CS3の連携で、非常に効率的なスクリプティングライフを送ることができるでしょう!
さて、今回で終了の本連載ですが、いかがでしたか?ActionScript 3.0について、お分かりいただけたら幸いです。そしてこの記事を読んで、少しでも気になったなら、迷うことはありません。今すぐAdobeからFlash CS3のトライアル版をインストールして、めくるめくActionScript 3.0の世界に飛び込んでください!