PRサイト運用時に知っておきたいこと
ページの最適化を行う方法
では、具体的にページの最適化を行う方法を紹介しよう。まず最も一般的なやり方は、A/Bテストである。スプリットテストとも呼ばれ、ランディングページの最適化に最も有効的な手段と言われている。
考え方は非常にシンプルで、既存のデザインやプロセス(無料請求フォームなど)を「A」とした時、修正を加えたものを「B」とし、AとBのパターンではどちらがより効果的かを比較するというものである。
何度もA/Bテストを行い、最終的に残ったものを一番ターゲットとする層へ遡及(そきゅう)力のあるランディングページとみなすやり方である。
A/Bテストはシンプルな方法だが非常に効果の高い手段とされている。だが、1つだけ問題点がある。
それは、最適化するまでに、何度もA/Bテストを繰り返す必要があり、単純ではあるが非常に手間のかかる作業を強いられる点にある。手間がかかるが故に、一般的にはプログラムを作成して、運用を行っている企業が非常に多く見受けられる。
プログラムを作成する場合は、対象のページが何回表示されたか、ページ内のリンクがどれだけクリックされたか、ページ間の離脱率などを比較できるように設計しておき、A/Bテストを検証していくことになる。
また、最近では、A/Bテストをツールによって自動的に行えるASPサービスも登場してきている。手軽に導入を検討したい企業などは、そのようなASPサービスを検討することをお勧めする。
ツールを使用する場合は、JavaScriptなどを利用して、動的なランディングページのレイアウト変更や画像の差し替えが簡単に行えるため、運用時の効果測定は非常に容易である。ただし、ランディングページ自体の制作は、動的に変更できるように作成する必要がある。
入力フォームのケアも忘れずに
ランディングページを最適化していくことに注力していると、忘れがちなポイントとして、EFO(Entry Form Optimization:入力フォーム最適化)がある。ランディングページは、当然何らかのレスポンスを望んで行うものであり、最終的にユーザーに対してフォームに入力をしてもらう機会が非常に多い。
この、入力フォーム自体に問題点があるとせっかく出来の良いランディングページに最適化できたとしても、入力フォーム自身の離脱数が多くなってしまうため、望んだレスポンス数を獲得できないケースがある。例えば、入力フォームがわかりにくかったり、入力内容が多かったりといった問題点があげられる。
つまり、ランディングページで利用している入力フォームも、オフィシャルページと同様に、きちんとしたケア(EFO対策)が必要である。
では、実際に入力フォームに対して行うEFO対策はいろいろあるが、ここでは簡易的でかつ効果的な2つを紹介する。
(A)入力フォールドの対する装飾
(B)入力フィールドに対するリアルタイムバリデーション
「(A)入力フィールドの装飾」は、ユーザーに対して、「入力するエリアはこの部分です」ということを明示的にする方法である。入力するエリアが白の状態のものや、バックのベースカラーと同様の色合いでは、入力フォームがわかりにくい。そのような場合には、入力エリアのバックカラーを変えるなどが有効的な手法だ。
当然、入力が完了して内容に問題がない場合は、入力フォールドの装飾を元に戻し、既に入力が完了していることを表示する必要もある。とても簡単な対策であるが、ユーザーに対しては非常に効果が高いので、一度入力フォームについて見直していただきたい。
2つ目の「(B)入力フィールドに対するリアルタイムバリデーション」も、最近よく取り入れられている手法である。具体的には言えば、入力している内容を確定する前(エンターキーを押す前)に、バリデーション(妥当性の検証)チェックを行い、エラーメッセージを表示する方法だ。
入力フォームから、いったんポストをしてエラーを再度表示されるチェック方法に比べ、ユーザーに対して心理的負担が少ないため、最近では積極的に採用している企業が多い。
上記の2つの対応策は簡単で効果が高いため、これから入力フォームのEFO対応を行う場合には、積極的に採用してほしい。ちなみに、これらの方法もASPサービスによって提供されているので、導入コストを検討される際には、自前でプログラムを実装するという選択肢と合わせて、ASPサービスの利用も検討すると良いだろう。