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あなたはどうする? 進化した「Bluetooth 5」の使い方は未知数だ

2016年7月23日(土)
ReadWrite Japan

Bluetoothは、今日のスマートデバイスにおいてほぼ必要不可欠なテクノロジーである。これにより低電力のIoTデバイスをスマートフォンやタブレット、デスクトップと接続することが可能になっている。しかしながら、より新しいバージョンである現行の『Bluetooth 4.2』ですら、有効距離と帯域幅が限られており、大量のデータの送受信を必要とするIoTデバイスにおいては魅力に翳り(かげり)のある選択肢となっていた。

だが、それもこれまでの話だ。Special Interest Group(SIG)は、2009年以来初となるBluetoothのメジャーアップデートを発表した。これにより通信速度は2倍、有効距離は4倍となる。また、消費電力は低いまま維持され、今日のIoT用途で必要とされる条件にも適っている。

「Bluetooth 5は、ユーザの身の回りにあるIoTの使い心地を、シンプルかつシームレスなものに変える。今回のアップデートで有効距離が伸びたことにより、壁を隔てての通信も可能になり通信速度の向上によるデータ転送やソフトのアップデートも速くなる。また、よりボリュームのあるリッチな情報をブロードキャストできるようにもなった。ビーコンやその他ロケーション・サービスなどにおいて、シームレスかつ手間いらずのIoT体験をユーザに提供するのに、Bluetooth 5はより重要な役割を担うだろう」とBluetooth SIGの取締役、マーク・パウウェル氏は言う。

Bluetooth 5のもつ明らかな利点の1つに(特にBluetoothに最近求められていることでもあるが)、そもそも低消費電力の規格であるということが挙げられる。低容量のバッテリーを備えたデバイスでも、Bluetoothの送受信であれば長期間行える。これは、接続の維持により多くのエネルギーを求められているWiFiにはない点だ。また、未来のスマートホーム内にどれほど多くのIoTデバイスが存在することになるか、を考えるとこの利点は大きなものだろう。

大きな進化を遂げたBluetoothをどう使うか

Bluetooth 5は、ロケーションを利用するソリューションにおいてこれまでにない性能を我々に提供してくれる。

たとえば、あなたが自分の家の周りを歩いているとして、手元のスマートフォンは継続的にロケーションの更新をビーコンに送り続ける。そして、その情報は他のIoTデバイスとシェアされ、そこから様々なことが展開するのだ。家に入るやいなや窓のブラインドが開けられたり、キッチンでスナックを手にとった時に仕事部屋でかけていた音楽が再生されたりといった具合だ。

これまでBluetoothヘッドフォンを使ったことがあるのなら、有効距離を少しでも離れてしまうと音楽が途切れてしまうという残念な経験をしたことがあるだろう。その点でも、今回の通信距離および帯域幅の改善は非常に大きなものなのだ。

この改善で新たに可能になることはまだある。たとえば、あなたがデパートに入った時に内容の詰まったおトク情報がスマートフォンに送られるようになったりするだろう。新たな概念である「CoT(モノのコマース)」で買い物体験が劇的に変化した未来にまた一歩近づいたと言える。

ちなみに、Bluetooth 5を搭載したデバイスは、今年後半から2017前半にかけて登場する見込みだ。

何はともあれ、この年季の入った技術にとって今回の改善は非常に望まれていたものである。あとはエンジニアや開発者たちがこれをどう有効活用するか次第だろう。

ReadWrite[日本版] 編集部
[原文]

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