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今後注目されるIT分野とその資格(第2回)

2016年8月16日(火)
瀬戸 美月

今までの延長線上で大丈夫?

「銀行にAIが導入されたおかげで、大規模なリストラが行われてるんだって」

友人から聞いた話ですが、実際、銀行や証券会社では、AI(人工知能)の導入によるリストラが現実になってきているそうです。
銀行業界は私も昔いたことがありますが、利益を追求する団体なので、AIなどの最新技術の導入によるコスト削減には積極的です。最近は、融資判断や投資判断にAIが利用できるようになったため、人間の配置が減らされてリストラにつながっています。

今までの世の中では、「自分が経験を積んだこと」が財産になっていました。今でもある程度は必要ですが、最近はAIを中心としたコンピュータに、知識が必要な仕事はどんどん置き換えられつつあります。

そんな時代には、今までと同じように、「暗記して知識を身につける」ようなスキルはあまり役に立ちません。暗記や単なる知識なら、コンピュータの方がはるかに有利だからです。コンピュータやAIの発展を前提にして、次の時代に向けたスキルを磨いていく必要があります。

具体的には、これからのAIが発展していく時代に向けて、身につけると有利になるスキルには、次の3つがあります。

  1. すべてのIT分野の基礎となるスキル
  2. 人間と関わる・コンピュータにはできないスキル
  3. 新しい技術を使う・コンピュータと人をつなぐスキル

それぞれについて、その内容や身に付け方を見ていきましょう。

1.すべてのIT分野の基礎となるスキル

IT技術は、今までの技術の積み重ねや改良で、新しいモノを作り出していきます。そのため、基本となる技術を知らないと、新技術の意味や内容が分からず、ついていけません。
そのため、『10年経っても変わらない基本』となる、コンピュータの基礎理論やコンピュータシステムなどIT全般の基礎を学んでおく必要があるのです。

基本を幅広く身につけるための資格には、情報処理技術者試験に3つあります。入門レベルの一般向けとして、まず最初に受けたいのがITパスポート試験です。その後、IT業界に入る新入社員向けの基本情報技術者試験、IT業界でひととおり経験した人向けの応用情報技術者試験と、順番にステップアップしていくと、無理なく学習を積み重ねることができます。

新しい技術が必要だからといって、それだけに飛びつくのではなく、まずは基礎固めをして、順番にステップアップしていくことが大切です。

基礎がしっかりしていないと新しいことは積み重ならない

2.人間と関わる・コンピュータにはできないスキル

AIが発展しても、人間と直接関わる、臨機応変な対応が必要となる仕事はなかなか代替できません。そのため、IT関連の仕事の中でも、人間関係が大切な仕事は、これからも残っていくと考えられます。
その中で、今後需要が伸びていく一番のスキルは、情報セキュリティだと考えられます。セキュリティを守るのは「人」ですし、機械的にルールを適用していくだけでは、情報セキュリティは守り切れないからです。特に、IoT(モノのインターネット)なども発展し、様々な場面でセキュリティが必要になっている現在では、需要がどんどん大きくなっていく分野でもあります。

情報セキュリティに関して学ぶのに適切な資格としては、情報処理技術者試験の初級向けでは情報セキュリティマネジメント試験、上級向けでは情報セキュリティスペシャリスト試験があります。特に情報セキュリティスペシャリスト試験は、来年できる予定の情報処理安全確保支援士という資格に登録する要件にもなっていますので、幅広い活躍が期待できます。

また、プロジェクトマネジメントを中心とした、マネジメントスキルも、今後も必要とされる分野です。資格試験としては、プロジェクトマネージャ試験PMP(Project Management Professional)試験などがあります。

人と関わるスキルは今後も需要が減ることはなく、活かせる機会も多いですので、積極的に磨いていくことが大切です。

人と関わるスキルは今後も必要

3.新しい技術を使う・コンピュータと人をつなぐスキル

これから発展していく技術、新しいものを扱うスキルは、これからどんどん需要が伸びていく分野です。具体的には、AI関連のコンピュータ技術、データマイニング、機械学習やディープラーニング、統計学や数学などを学習しておくことは、今後の技術の発展と連動していく上でも有利です。
といっても、このあたりの資格はまだ整備されておらず、「これをやればOK!」というものはできていないのが現状です。信頼性のあるものとしては、日本統計学会公認の統計検定(http://www.toukei-kentei.jp/)などがあります。
また、それぞれの新技術に合わせて、それを使うのに必要な資格を取っておくのも面白いです。例えば、ドローンを飛ばすならドローン検定がありますし、ドローンに免許が必要になった時に備えて第3級陸上特殊無線技士の資格を取っておくなどの方法もあります。
IoT時代に備えて、ハードウェアや電気を直接扱えるように、第二種電気工事士の資格を取る、なども有効です。

AIを使う仕事は、これからどんどん増えていく

変化を意識しつつ学習しよう

勉強をする、といったときに、ただ闇雲に何でもやればいいというものではありません。時代も変わって来ていますし、必要となるスキルも変化していっています。
時代の変化を意識して、自分の方向性を見極めつつ、勉強する資格を考えていきましょう。

株式会社わくわくスタディワールド代表取締役

「わくわくする学び」をテーマに、企業研修やオープンセミナーなどで、単なる試験対策にとどまらない学びを提供中。また、情報処理技術者試験を中心としたIT系ブログ「わく☆すたブログ」や、ITの全般的な知識を学ぶサイト「わくわくアカデミー」など、様々なサイトを運営。 保有資格は、情報処理技術者試験全区分、高等学校教諭一種免許状(情報)他多数。著書は、『徹底攻略 情報セキュリティマネジメント教科書』『徹底攻略 応用情報技術者教科書』『徹底攻略 データベーススペシャリスト教科書』(以上、インプレス)、『新 読む講義シリーズ 8 システムの構成と方式』『新 読む講義シリーズ 8 システムの構成と方式』『インターネット・ネットワーク入門』『新版アルゴリズムの基礎』(以上、アイテック)他多数。

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