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| 日本のEC市場進展度は米国とすでに肩を並べている | ||||||||||||||||||||||
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誰もが思い浮かべるECサイトとしてAmazon.comがある。前述のEC利用率トップである書籍や音楽CDにはじまり、DVDやゲームなど様々な商材を取り揃えている。Amazon.com発祥国の米国は、世界でもっともEC化が進んでいる国である。米国とのEC進展度を各商品区分別のEC市場規模で比較することで明らかにしたいと思う。 単純に市場規模を比較するだけでは、人口も物価もインターネット利用者数も異なるため、適正な比較とはならない。表1の表に示す各数値は、各商品区分別に米国におけるEC市場規模を日本におけるEC市場規模で割った値に補正を加えたものである。補正地はGDP比率、購買力平価比率、インターネット利用者数比率などである。
表1:米国と日本のEC市場進展度比較 出典:野村総合研究所 この相対比較の数値が1.0を超える商品区分は、日本よりも米国の方が、EC化が進んでいることとなる。比較した商品区分は10区分で、このうち米国が相対的に進んでいる結果となったのは、わずかに2区分のみであった。それは、「衣料・アクセサリ」と「食品・飲料」である。 EC市場の今後5年間の年平均成長率は10%を超えており、すべての商品区分が今後も拡大することが期待される。その中でも、米国との進展度で考えた場合、衣料やアクセサリといった趣味・嗜好品、食品・飲料といった鮮度という感覚的なものが購買の決定要素となる商材も今後はEC化がさらに進んでいくのではないだろうか。このことをより厳密に考えるためには、2つ目の視点であるの商品のライフサイクルを考慮する必要がある。 |
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| EC市場のポテンシャルは20兆円を超える | ||||||||||||||||||||||
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前述のように、書籍のような価値が不変的なものは今後障害なくEC化が進んでいくことだろう。実店舗とWebサイト上の違いは、視覚的な商品の一覧性の違いしかないだろう。価値が変化するもの(例えば、キャベツは1つ1つ重さも違えば、鮮度が違う)の購買はどこまでEC化していくのだろうか。商品のライフサイクルを考慮すれば、この答えを導き出す糸口となる。 前述の衣料、アクセサリ、食品、化粧品を例にとってみよう。いずれも実際に手にとって見て、また使ってみて、試着してみて、と実店舗への訪問が必要な商品区分と思われる。商品のライフサイクルを考えた場合、アクセサリは数年単位、衣料と化粧品は数ヶ月単位、食品は1週間単位で購入する人が多いと思う。こうした商品区分はブランディングがEC化の促進を決める。 つまりいつも使う化粧品メーカの新商品ならば、例えテスターで試さなくともECサイトで購入することもあるのではないか。いつも着ているサイズがぴったりな衣料メーカの春物の新商品ならば、試着しなくともECサイトで購入することもあるのではないか。無農薬栽培の有機野菜のみを届けるサービスがあるとすれば、実物の野菜を手にとって見ずにECサイトで購入することもあるということだ。 野村総合研究所では3年に一度1万人の一般消費者に向けて、「日常生活に関するアンケート調査」を実施している。2006年7月実施の同調査によれば、生活者のうち、13.1%の人はブランドを意識した消費を行っている。価値が変化する商品区分でも、各商品購入時において13%程度の人は、実物を見定めることなくEC上で購入を決定する可能性が考えられる。ライフサイクルの短い商品ほど、ECか実店舗か、商品の購入手段を決める機会が増加する。つまりライフサイクルの短い商品ほど、今後EC化への進展が進みやすいことがいえる。 このような考え方から、今回取り上げている10の商品区分のライフサイクルと各消費規模を考慮して推計すると将来的にEC市場は20兆円規模以上にまで拡大する可能性は十二分にあるといえる。 |
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