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| 原価企画の将来 | ||||||||||||
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従来、管理会計とは経営者が企業を管理するために行うものである。伝統的な管理会計では、作成された財務諸表によって経営手法を作成し、経営に役立てるものであった。 これに対して原価企画などの戦略的管理会計では、それぞれのプロセスを見直すことによって利益を生みだしていくこととなる。そのような意味から「プロセス依存型の原価管理」ともいわれてきた。そのためプロセスに関わるコスト要素、つまり要員や設備の配置、アウトソーシングなどの施策によって、戦略的に原価企画を取り込んでいくことになる。しかし、原価企画にも課題が存在する。 |
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| 課題1:原価企画への疲弊 | ||||||||||||
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原価企画が機能するにしたがって、そこに当初から内在していた問題点や矛盾が顕在化してくるという現象が起きている。 例えば、表2にあげるものが考えられる。
表2:原価企画が抱える問題点 このような「原価企画への疲弊」に対して、表3にあげる解決方法がある。
表3:問題点の解決策 |
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| 課題2:原価企画の海外移転 | ||||||||||||
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グローバル化の進展に伴い、企業は生産活動のみではなく、製品開発および原価企画機能の海外移転を検討する必要がある。 現段階では、原価企画を移転しているケースは少ない。移転している場合でも設計段階までで、商品企画段階まで移転している割合は、国内での原価企画の展開状況と比較すると相当低い。 その要因としては、海外と日本におけるサプライヤとの関係の商慣習の違いがあげられる。日本的なサプライヤとの関係が原価企画の成功要因の1つであるといわれているため、違った商風土でそれ求めることが難しいからである。 現在、グローバルな環境に対応できる原価企画の実施方法の確立が求められている。 原価企画の対象とする要素別の比率は、直接製造原価(素材費、購入部品費、直接加工費)が高く、それに比例してコストテーブルにも織り込まれている比率が高い。これからも当面は調達・生産レベルを対象とするだけで十分な原価企画を実現できると考えられる。 最後に、コストシェアリングの実現方法について見ていこう。 |
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| コストシェアリングへの取り組み | ||||||||||||
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コストシェアリングとは、各部門に配分された目標コストを正確かつリアルタイムに把握することである。それを実現するために、図3のような管理会計BOMを構築し、原価企画部門で管理する方法を提案する。 従来は製品の一連の生産活動が完了してから、目標コストと実績コストの比較を行っていた。 そのような従来のやり方ではなく、当初に設定した目標コストの実績に基づき、構成部品や部門単位でコスト情報を把握できるコストシェアリングの仕組みを利用する。その結果、生産活動の可視化が実現できるのである。 生産活動の可視化が実現できれば、生産活動の途中でコスト情報を確認しながら、その後に続く生産/販売活動での計画変更が可能となり、事業計画に応じた企業活動全体の迅速な意思決定が可能になる。 ここで解説したコストシェアリングの仕組みについても、第2回で解説したBOMにコスト情報(目標原価、実績原価)を持たせる手法によって実現できる。 次回は、調達ステージで実現可能な原価低減の施策について考えてみたい。 |
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