第2回:検疫ネットワークの機能説明 (2/3)

検疫ネットワーク動向
ウイルス感染・機密情報漏洩の脅威から社内ネットワークを守る検疫ネットワーク動向

第2回:検疫ネットワークの機能説明
著者:富士キメラ総研   中原 隆治  2006/4/18
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サーバ側とクライアント側で異なる検査方法

   検査を行う方法はどちらで検査するかにより異なる。「検査サーバが検査エージェントが調査したクライアントのセキュリティ情報を検査する」方法と、「検査エージェントがセキュリティ情報を収集し、検査サーバから送信されたセキュリティポリシーと比較して検査する」方法の2つの方法がある。どちらも一長一短となっており、実際のシステムもほぼ半々の比率になっている。

   セキュリティポリシーをサーバとクライアントの両方に強制させるため、次のような検査を行う。基本的にウイルス定義ファイル設定はすべてサポートしている。セキュリティポリシーと運用負担(セキュリティパッチ適用は運用が困難になる)も考慮しながら、どこまで検査するのかを選択していく必要がある。

検査範囲 対応状況 内容
セキュリティ
パッチ適用状況

(ほぼ標準対応)
基本的にはWindowsを対象としたセキュリティパッチ(HotFix)適用状況を検査する。ただし、必要なセキュリティパッチのみを適用するポリシーを設定する必要があり、注意が必要になる。
ウイルス定義
ファイル設定

(標準対応)
ウイルス定義ファイル更新状況、リアルタイム保護機能ON/OFFを検査する。トレンドマイクロ/シマンテック/マカフィーに対応する製品が多い。常に最新の定義ファイルを適用するというポリシーになるため、設定と運用は容易である。
ファイル/アプリ
ケーション動作
状況

(一部を除き
対応)
必要または禁止ファイル/アプリケーションのインストール状況、プロセス情報などを検査する。レジストリ設定情報をチェックする仕組みのため、一部を除くほとんどの製品で対応している。
不正通信
(一部製品のみ)
「InterSpect」(Check Point)、「Network VirusWall 1200/2500」(トレンドマイクロ)などが対応している。セキュリティポリシーの強制というより、ネットワークセキュリティ対策の位置付けに近い。

表3:検査範囲と内容


複数の種類がある隔離概要

   隔離方式には複数の種類があり、方式ごとに「隔離製品」の採用が決定される。隔離も行う「検査サーバ/エージェント」製品(代表的なものとして集中管理型PFW(Personal FireWall)やSSL-VPNがあげられる)があるが、一般的には「隔離製品」と「検査サーバ/エージェント」は組み合わされて利用される。

隔離方式 隔離製品 隔離要素
認証スイッチ方式 LANスイッチ(Web認証/802.1x認証など) 認証機能、ダイナミックVLAN/ACL
ゲートウェイ方式 認証アプライアンス 認証機能、ACL
ゲートウェイ機器 通信通過要求、ACL
独自セキュリティ製品 通信通過要求、ACL
DHCP/不正PC防御方式 DHCPサーバ IPアドレス配布
不正PC防御ツール ARP送信
独自セキュリティ製品 リセットパケット送信
集中管理型PFW方式 集中管理型PFW PFW設定
PFW/サーバFW PFW/サーバFW設定
モバイルIP方式 VPN機器(モバイルIP) 通信要求、ACL
PFW+VPN動的制御方式 PFW、VPN機器 PFW設定とVPNの動的制御
VPN接続制御方式 リモートアクセスVPN機器(IPsec/SSL) VPNセッション、ACL

表4:隔離方式/隔離製品一覧

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株式会社 富士キメラ総研
情報処理・加工システムが高度化する中で、富士経済グループはフィールドリサーチ中心の市場調査会社として41年の実績をもち、情報の質やリアルタイムなデータの収集・調査力では、他社に絶対負けないと自負しており、ITインテリジェンスが高度化する中で、On the information edge(最先端情報で優位に立つ)を目指した実態調査とコンサルティングをご提供したいと考えております。
http://www.fcr.co.jp/
株式会社富士キメラ総研 研究開発本部 第三研究開発部門 中原 隆治
著者プロフィール
株式会社富士キメラ総研  研究開発本部
第三研究開発部門
中原 隆治

ブロードバンド/モバイル/ワイヤレス/セキュリティなど主に情報通信分野全般のマーケティングリサーチを担当。直近の発刊レポートでは「検疫・認証/VPNネットワークソリューションの展望」「2006 ワイヤレスブロードバンド市場の現状と将来展望」などの調査編集に従事。


INDEX
第2回:検疫ネットワークの機能説明
  検疫ネットワークシステムの概要
サーバ側とクライアント側で異なる検査方法
  一長一短がある各方式
ウイルス感染・機密情報漏洩の脅威から社内ネットワークを守る検疫ネットワーク動向
第1回 検疫ネットワークの市場概況
第2回 検疫ネットワークの機能説明

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