第4回:サーバOS利用実態が暴く企業体質 (3/3)

中堅・中小企業における新ITシステムの動向2006
中堅・中小企業における新ITシステムの動向2006

第4回:サーバOS利用実態が暴く企業体質
著者:ノーク・リサーチ  伊嶋 謙二   2006/7/5
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Windows NTを使い続ける理由

   Windows NTをそのまま使い続ける理由としては「移行する必要性を感じない」が67.4%と昨年よりさらに高まっている。企業規模の小さいところほど、まだ「Windows NTのシステム」が使えるので「移行する必要性を感じていない」という事実も判明した。
Windows NTをそのまま使う理由
図4:Windows NTをそのまま使う理由

   Windows NTがいわゆる使い慣れたOSであることの証左ではあるのだが、2世代前のサーバOSの支持がこれだけ高いのもベンダーとしてどう対応するべきか微妙なところだろう。サポートが切れているからといって、サポートの必要性が生じた場合マイクロソフトがどう対応するのかは別として、問題が生じた場合は当然購入先へ頼むことになるのは間違いないからだ。


戦略系アプリケーションの低い導入率とWindows NTを使い続けることの関係は

   本連載の「第2回:明暗が分かれたITシステム/アプリケーション導入」では、「SCM」「SFA」「CRM」「CTI」といった戦略系アプリケーションの導入率が10%前後で一向に変化がないことを指摘した。

   そして実は「Windows NTはまだ使えるから、変える必要がない」という理由が生じる背景には、戦略系アプリケーションの導入率が関係している。

   つまり2世代前のサーバOSでも問題なく使える旧態依然としたソリューションを使い続けているため、サーバOSをアップデートする必要性を感じにくいのだ。企業における戦略的な新ソリューションの導入が行われていれば、自然とサーバOSもアップデートすることになるだろう。

   第一、企業経営やコアビジネスに関わる部分にITが採用されている場合、そのサポートがないことほど大きな不安要素はないはずだ。こういった問題が生じる原因の所在はユーザ企業にもソリューション提供側(購入先=SIer、ベンダー)にもあるといえるのではないだろうか。

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書籍紹介
「2006年版 中堅・中小企業のIT/ソリューションの実態と展望」

本記事はノーク・リサーチより発刊されている「2006年版 中堅・中小企業のIT/ソリューションの実態と展望」から抜粋し、加筆・修正を行ったものです。上記調査資料には、さらに詳しいデータや分析結果が記載されています。調査資料のご購入は下記のリンクより行えます。

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有限会社ノーク・リサーチ  伊嶋 謙二
著者プロフィール
有限会社ノーク・リサーチ   伊嶋 謙二
1956年生まれ。1982年、株式会社矢野経済研究所入社。パソコン、PC(IA)サーバ、オフコンなどをプラットフォームとするビジネスコンピュータフィールドのマーケティングリサーチを担当。とくに中堅・中小企業市場とミッドレンジコンピュータ市場に関するリサーチおよび分析、ITユーザの実態を的確につかむエキスパートアナリスト/コンサルタントとして活躍。1998年に独立し、ノーク・リサーチ社を設立。IT市場に特化したリサーチ、コンサルティングを展開すると同時に、業界各誌への執筆活動も積極的に行っている。
ホームページ:http://www.norkresearch.co.jp/


INDEX
第4回:サーバOS利用実態が暴く企業体質
  はじめに
  中堅・中小企業のサーバOSはWindowsがデファクトスタンダード
Windows NTを使い続ける理由
中堅・中小企業における新ITシステムの動向2006
第1回 サーバの導入動向から見るIT投資動向
第2回 明暗が分かれたITシステム/アプリケーション導入
第3回 加速する中堅企業へのERP導入
第4回 サーバOS利用実態が暴く企業体質
第5回 サーバの導入プロセス
第6回 サーバの物理的側面とネットワークセキュリティ対策について
第7回 サーバベンダーのイメージ評価

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