第4回:SCM 2.0を実現している企業 (2/3)

SCM 2.0
サプライチェーンから始まるSCM 2.0の波

第4回:SCM 2.0を実現している企業

著者:スターリングコマース  高越 章博、大森 二郎   2007/4/12
前のページ  1  2  3  次のページ
味の素における導入事例

   味の素では同社の受注出荷業務システム(OMS)にサプライチェーンアプリケーションスイート「Yantra」を採用している。味の素ではERPパッケージを含む複数の製品を検討した結果、多品種・大量受注の処理が可能なこと、味の素グループ会社固有のビジネス要件に合わせたカスタマイズや機能追加が可能なこと、そして海外での大手企業への導入実績を評価し、「Yantra Distributed Order Management(Yantra DOM)」を採用した。
会社データ
本社:東京都中央区京橋
創業:1909年
売上高:1兆1千億(2005年度、連結)
店舗数:641(2006年12月末)
資本金:79,863百万円(2006年3月31日現在)
従業員数:約2万5,000名(2006年3月31日現在、連結)
URLhttp://www.ajinomoto.co.jp/

   今回採用された販売管理ソリューションであるYantra DOMは、オーダー発生から顧客への納品までのプロセスを可視化・最適化するというもので、販売チャネルをまたがった複数オーダーの一元的な受け付け、そのステータスの管理・実行機能を提供する。


問題点と解決

   味の素では、全社レベルでホストシステムからのダウンサイジングプロジェクトを推進しており、システム改革の総仕上げとして取り組んだのが受注・出荷関連業務システムの再構築だった。

味の素の再構築前のシステム問題点
図3:味の素の再構築前のシステム問題点
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   そのなかで、同社ではスクラッチによるシステム開発ではなく、パッケージの導入を検討。自社開発では業務に合った作りこみが可能である反面、工数とコストが予算を大幅に上回る恐れがあるため、同社では最終的にパッケージ製品を選択した。午前10時〜12時の2時間で数千種類にわたる商品への注文件数が10万件にものぼる同社が採用したのは「Yantra Distributed Order Management(Yantra DOM)」だった。


得られた結果

   味の素では選択した理由について、「Yantra DOMは受注処理から出荷処理に至る各機能が部品化されており、共通機能と個別機能も分類できるため、複数企業での利用が可能だった」とし、「既にはじめていたグループ会社との共同利用を続け、高い投資対効果をあげていきたいと考えていた当社にとって重要なポイントだった」という。

   Yantra DOMの導入により、味の素全体で販売チャネル/サプライヤー/パートナー/システムから構成される複雑なネットワーク全体にわたるデマンドフルフィルメントを実現し、オーダー発生から顧客への納品までのプロセスを可視化/最適化できたとしている。

再構築後の受注出荷イメージ
図4:再構築後の受注出荷イメージ
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

前のページ  1  2  3  次のページ


スターリングコマース株式会社 高越 章博
著者プロフィール
スターリングコマース株式会社  高越 章博
SCMソリューション営業部 セールスエンジニア
外資系ITベンダー、外資系ソフトウェア会社にてERPコンサルタントを経て現職。SCMアプリケーションパッケージによるソリューションの提案活動に従事。


スターリングコマース株式会社 大森 二郎
著者プロフィール
スターリングコマース株式会社  大森 二郎
SCMソリューション営業部 アカウントマネージャ
日系IT企業でのプログラマー、営業、外資系ITベンダーでの営業を経て現職。SCMアプリケーションパッケージによるソリューションの提案・販売活動に従事。


INDEX
第4回:SCM 2.0を実現している企業
  Yantraによるサプライチェーン物流革命
味の素における導入事例
  見えるサプライチェーンSCM 2.0でサプライチェーンの改革がはじまる
サプライチェーンから始まるSCM 2.0の波
第1回 物流における問題点とITによる解決
第2回 SCMによるビジネス成功を実現するYantra
第3回 Sterling Supply Chain Applications「Yantra」の詳細を探る
第4回 SCM 2.0を実現している企業

人気記事トップ10

人気記事ランキングをもっと見る