第2回:実践!RFPでIT調達(前編) (2/3)

IT調達
IT調達のプロセスを確立させるためには

第2回:実践!RFPでIT調達(前編)

著者:プライド  稲葉 洋明   2007/2/1
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RFP発行先の選定

   RFP発行先のITベンダーを選定します。以降より、選定にあたってのポイントを解説していきます。

RFP発行先の募集方法決定

   RFP発行先の募集方法を決定します。一般的には、広く不特定多数に募集する方法か、ある程度条件を絞って募集する方法が考えられます。


調達案件の告知

   RFP発行先を募集するために、調達案件を告知し、ITベンダーの参加を募ります。


発行先の決定

   応募のあった企業から、RFP発行先のITベンダーを決定します。具体的には表7の観点から評価します。

健全性の確認
ITシステムは、業務を運営する上で必要不可欠な存在といえます。ITベンダーが契約期間中に倒産したり、社会的な信用を失ったりし、契約の履行が不可能な状態に追い込まれることは、事業継続性を揺るがす重大なリスクといえます。そのような事態を回避するためには、財務諸表等をもとに、ITベンダーの財務的健全性を把握するとともに、新聞などのメディアを活用し、社会的信用不安の有無を確認すること重要です。

実現能力の確認
求めるものを実現する能力が相手先になければ、成功はおぼつかなくなります。そのためには、技術力、マネジメント力を確認します。

ISO9000取得の有無確認
上述の健全性、実現能力を確認するには、ISO9000取得の有無を知ることは有効です。取得していないから適格性に欠けるということはありませんが、取得していれば、その組織の品質管理体制が国際規格により認められていることになります。

ISMS、プライバシーマーク取得の有無確認
ソフトウェアを開発する過程で、機密情報をITベンダーに預けることがあるでしょう。機密情報が漏洩した場合、情報の内容によっては、企業の存続を揺るがすようなダメージを受ける可能性があります。ISMSやプライバシーマークの取得の有無を確認することで、情報の管理体制が構築されていることが確認できます。


表7:RFP発行先の選定基準


発行先企業との契約

   RFPは自社の機密情報そのものです。よって、RFPを渡すITベンダーとの間に、第三者非開示協定書(Nondisclosure Agreement)を締結します。

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株式会社プライド 稲葉 洋明
著者プロフィール
株式会社プライド
稲葉 洋明

中小企業診断士
前職は自動車部品メーカで、生産管理システムの構築やISO9001の認証取得を担当する。システム開発方法論および情報システム分野に興味を抱き、株式会社プライドに入社。現在、システム開発方法論「プライド」を軸に、IT調達プロセスの構築支援に携わっている。


INDEX
第2回:実践!RFPでIT調達(前編)
  RFPによるIT調達プロセス
RFP発行先の選定
  RFPの作成
IT調達のプロセスを確立させるためには
第1回 何故、RFPなのか
第2回 実践!RFPでIT調達(前編)
第3回 実践!RFPでIT調達(後編)

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