ブログとSNSというサービスの市場規模を考える場合、その定義に苦労する。
月額数百円の利用料を会員から獲得するサービスと捉えるべきなのか。またはあくまでWebサイトとして捉え、インターネット広告収益を主たる市場と捉えるべきなのか。それとも、EC(電子商取引)への仲介サイトとしての役割から、仲介手数料から成り立つ市場と捉えるべきなのか。はたまた、これら以外の新たな項目が今後の主たる収入源となるのか。
現在想定されるこれらの市場項目を勘案して市場規模を予測した場合、2010年には1,500億円を超える規模にまで拡大すると思われる(図1)。
図1:ブログ・SNS市場予測 出所:野村総合研究所
今後5年で3倍から4倍に市場は拡大する予測だが、それを支えているのは利用者数である。
ブログのサイト数およびSNSの登録者数は、それぞれ2010年には、1,800万サイト、4,700万登録にまで拡大することが予測される。SNSは2007年に2,000万登録を突破する見込みであるが、現在mixiが約1,200万登録、モバゲータウンが500万登録ということを考えれば、2007年上期中の突破も考えられるだろう。
図1の予測は、あくまでサイト数と登録者数という意味での予測であり、ユニークユーザではない。現在SNSは大小合わせて月に何個もサービスインされている状況であり、2008年以降の登録者数の伸びは主に既存ユーザによる複数登録の伸びが中心となるだろう。
これらのサービスを利用するユーザの今後5年間の平均増加率は30%を超える。現在利用者数が9,500万人を超える携帯電話の市場もかつては、同様に急拡大していた。その携帯電話利用者数の年間成長率は2%程度に留まる。かつて多くの事業者が携帯電話市場に群がったように、今このブログ・SNS市場への参入を試みる事業者が多いのは、この利用者の拡大スピードが他の市場に比べて圧倒的に高いためである。
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