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| 情報とインフラの管理を分割する | ||||||||||
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ここまで情報システム部門の成長を説明してきたのには理由があります。本来、情報自体とそのインフラの管理は区分されるべきです。これは、どちらが偉いということではなく、あくまでも権限の区分が必要ということです。 紙ベースで情報管理をしていた時には、情報の管理自体は管理部門で行い、インフラは情報システム部門が行うという権限区分ができていました。しかしITによる管理が浸透してきてから、情報とインフラの両方の管理に情報システム部門が携わる状況が生まれました。 この状況に際し、情報システム部門に関して特に経営層が認識しておかなければならない点として以下のようなものがあります。
表1:経営層が認識しておく必要のあるポイント そもそも企業内には様々な情報があります。その中には、社員全員が共有してもいい情報もあれば、管理者や役職者、または経営層だけが携わるべき情報もあります。ところが、情報共有のルールとは別に、情報システム部門には表1のような状況があり、完全な管理ができていない点に注意すべきです。 昨今発生している大型の情報漏洩事件は、この点こそが大きな要因であるといえるでしょう。 |
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| 情報システム管理者の権限 | ||||||||||
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ハードウェアという機械にオペレーティングシステム(OS)が搭載され、はじめてコンピュータシステムとして動くということは説明するまでもないでしょう。このようにして構築された土台に、本来の目的であるアプリケーションを導入して運用するわけです。 目的であるアプリケーションや成果物であるデータは、すべてそのOSという土台を通して運用されます。そして、その土台を管理するのが情報システム管理者やアドミニストレーターと呼ばれる人達なのです。 これらの権限を持つ人達は、すべてのシステムの土台となるハードウェアやOSにアクセスできるため、アプリケーションやデータにも自由にアクセスできることになります。もちろん、それらを社外に持ち出したり消し去ってしまうことも、技術的には可能なのです。 |
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| IT技術者の流動性やアウトソーシングの問題 | ||||||||||
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冒頭で紹介したように、日本における終身雇用制度は崩壊しました。そして、困ったことにIT技術者の転職サイクルは非常に短いという現状があります。5年も同じ職場にいると「随分長く同じ会社で働いている」と感じられる人も多いと思います。 進化が速いIT技術に適応しながら長期において一線で力を発揮できるIT技術者が少ないというのは、スポーツ選手に近いものがあるように思えます。「現場で求められる人材」に必要なスキルや仕事状況を考えると、この流動性は雇用側にも都合がいいのかもしれません。 さらに企業にとって都合がいいシステムがアウトソーシングといえるでしょう。大規模の企業であれば、非生産部門である情報システム部門に多くの人材を確保できるかもしれません。しかし、これだけのIT化が進んだ状況では、要求される能力は多岐に渡ります。 当然、必要とされるITの知識も幅広くなり、エキスパートを幅広く確保しなければならなくなります。それらのことを考えればアウトソーシングは効率的な方法であると同時に、大小の規模にかかわらず避けて通れない手段といえます。 ここで問題なのは、この両方の点で、社外に企業情報にアクセスできる人材・環境が発生するということなのです。この事実を踏まえた上で「システム運用」と「情報管理」を考えていく必要があります。 |
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