|
|
オープンソースJ2EE APサーバ JBossの可能性 |
第2回:JBossのインストールと初期設定
著者:ダイテックC&D 高橋 康弘 2005/5/6
|
|
|
前のページ 1 2 3 4 次のページ
|
|
ディレクトリ構造と設定ファイル
|
それでは次に、JBossのディレクトリ構造と基本的な設定ファイルについてみていきましょう。$JBOSS_HOME以下は次のようになっています。
|
図4:JBossのディレクトリ構造
|
$JBOSS_HOME直下から順に簡単に説明していきます。
|
bin |
JBossの起動・停止に関連するスクリプトが格納されています |
client |
JBossと通信するクライアント側に必要なJarファイルがあります |
docs |
データソース定義の例、JBoss設定ファイルのDTDなどがあります |
lib |
JBossが使用するスタートアップJarです。自分のアプリケーションに関係するJarはここに置かないようにしてください |
server |
JBossが起動する時に使用する設定が格納されています。初期状態でall、default、minimalの3種類が用意されています |
|
serverディレクトリ以下にあるJBossの設定について補足しておきます。all、default、minimalという3種類の設定の違いは以下の通りです。
|
all |
クラスタリングなどJBossが持つ機能をフルに利用する場合の設定 |
default |
J2EEの仕様に準拠したアプリケーションを動作させるための標準的な設定 |
minimal |
JBossの基本的なサービスのみが起動する設定 |
|
先ほど動作確認を行ったようなrunスクリプトをパラメータ無しで起動させた場合はdefaultの設定でJBossが起動します。allやminimalの設定で起動させたい場合は、「run -c all」(もしくはUnix風に「run --configuration all」)や「run -c minimal」というように「c」オプションにて設定の名前を指定します。
この設定はあなたが独自に定義することができます。その場合は、既にあるallあるいはdefaultディレクトリ以下をまるごとコピー&ペーストし、別の名前(例えば"myApp")を付けます。そしてアプリケーションの動作に適した設定を行います。
このような設定を元にJBossを起動したい場合は、先ほどと同じように「c」オプションを付けて起動すればOKです(例えば「run -c myApp」)。
次に、もっとも利用することが多いと思われる「default」ディレクトリ以下について説明を行います。
|
conf |
JBossが起動するときに参照する設定ファイルが置かれます |
data |
データの永続的な記録を必要とするサービスが利用します |
deploy |
自分で作成したアプリケーションを配置(デプロイ)する場所です。その他、JBossが使用するファイルも置かれています |
lib |
自分で作成したアプリケーションが必要とするJarファイルを置く場所です。その他、JBossが使用するファイルも置かれています |
log |
ログファイルが置かれます |
tmp |
JBossがデプロイをする時にパッケージを展開するために利用します |
work |
TomcatがJSPをコンパイルするのに利用します |
|
それでは、今作成した独自の設定を少し変更してみたいと思います。$JBOSS_HOME\server\myApp\deploy\jbossweb-tomcat50.sar\server.xmlをメモ帳などのテキストエディタで開いて、12行目を以下のように変更し、ファイルを保存してみてください。
|
<Connector port="8080" address="${jboss.bind.address}"
↓
<Connector port="80" address="${jboss.bind.address}"
|
この作業が完了した後、再び$JBOSS_HOME\binディレクトリから「run -c myApp」として起動してください。コンソール上のログメッセージを元に正常にアプリケーションが起動したことを確認したら、http://localhost/(ポート番号の指定はしません)へアクセスしてみてください。先ほど動作確認をした時と同じ画面が表示されるはずです。もちろん、「run」として起動すれば(つまり"default"の設定が使用される)再びHTTPのポート番号が8080としてJBossが起動します。
その他たくさんの設定ファイルや項目がありますが、その一部についてはこの連載の中で適宜ご紹介していく予定です。代表的な設定ファイルについて掲載しておきます。
|
- conf/jboss-service.xml
- JBossのコアサービスの設定を記述します。
- conf/log4j.xml
- JBossはログ出力のしくみとしてlog4jを利用しています。ログの出力状況を変更する場合はこのファイルを編集します。
- conf/login-config.xml
- ユーザ認証などのセキュリティに関する設定を行います。
- conf/standardjboss.xml
- JBoss上のコンテナが使用するデフォルト値を設定します。
- conf/standardjbosscmp-jdbc.xml
- JBossのエンティティBean(CMP)エンジンのデフォルト値を設定します。
- deploy/jbossweb-tomcat50.sar
- JBossにバンドルされているJSP/ServletエンジンのTomcatの設定を行います。"ROOT.war"ディレクトリが静的コンテンツのルートディレクトリにあたります。
|
|
前のページ 1 2 3 4 次のページ
|
|
|
|
著者プロフィール
株式会社ダイテックC&D 高橋 康弘
入社以来Windowsを中心としたアプリケーション開発に従事。2000年頃からJavaを扱うようになり、2年ほど前からオープンソースを利用したシステム開発を開始。最近はJBoss+オープンソースの組み合わせでWEBアプリケーション開発に携わることが多い。
資格:JBoss認定コンサルタント
|
|
|
|