The Social Side of Services/サービスの社会的な側面
トップのレベルの障害
より高いレベルの管理者やマネージャー、ディレクターは収益に着目します。彼らはSOAの適用にどれくらいコストがかかるか、ROIを得られるかを 知りたがります。彼らは提案されている詳細なテクノロジーについて気にしようとはしません。むしろ詳細なことは本来担当すべき開発者のレベルへ追いやりた いと考えています。
ただしSOAの適用がいかに彼らのビジネスの目的を達成する上で有効であるかを理解しない限りは、進んでSOAやその他の新しいアプローチを適用したいとは考えません。
各階層での違い
SOAを適用することは、皆さんが組織のどの階層に所属するかに大きく依存しています。もし、皆さんがCIOという役職にあり、CEOや役員に SOAの適用が会社の利益に貢献するということを確信させることができるとしたら、自らの部門の中には、SOAの適用を部門として必須の事項であると指示 することができます。
しかしSOAはその部門にとって大きな変化となり、いくつかの影響を与える可能性があります。例えばキーとなる人々が辞職するかもしれませんし、部下があまりの変化に抵抗するようであれば異動してもらう必要があるかもしれません。
そのため、すべてのプロジェクトにSOAをただちに適用することができないと考えるのであれば、新しいプロジェクトのみにSOAを適用するように義務付けることで、SOA適用の影響も緩和できるかもしれません。
もう一方の状況としては、皆さんが開発者として「SOAがビジネスに対する業務の進め方を改善していく」と信じているとします。しかし、残念ながら 自身がSOAの適用を前提にするほど権限や役職が十分でない場合は会社の中にマインドを持った人々を探す必要があります。そのようなマインドを持った人が 技術的なリーダーであり、一目置かれているようなマネージャーであると大変有効です。
このほかにも、サービス指向システムのプロトタイピングのために自ら秘密裏に技術開発プロジェクトを起こす必要があるかもしれません。もし皆さんの 上司がそのアイデアを支持するとしたら、そのようなプロトタイピングのための時間を与えてくれるでしょう。さもなければ皆さんの自分の空き時間を費やす必 要があります。
このようなプロトタイピングのゴールは、これまでのアプローチを改善できることを会社の方々に見てもらうことです。プロトタイピングは単に技術的な課題にだけ注目してはいけません。そのかわり、できるだけ明らかにビジネス上の価値を示すように努力してください。
もしプロトタイピングが単に技術的な優秀さのみを示すものであれば、同僚の開発者の方からは「これはいいね」といわれるぐらいであり、予算の権限をもっている方の関心を引くことはできないでしょう。
つまり、成功のためになんらかの望み得るとしたら、会社のビジネス側から意見を変える人を確保する必要があります。