第13回:Symantec Mail Security for Exchangeを設定する際の注意事項 (1/2)

シマンテックイエローブック
電子メール環境を効果的に管理するための総合的アプローチ

第13回:Symantec Mail Security for Exchangeを設定する際の注意事項

著者:シマンテック   2007/3/22
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Symantec Mail Security for Exchangeの設定

   シマンテックでは、Mail Security for Exchangeの推奨設定を提供しています。次に示す内容は、製品のマニュアルに代わるものではありません。設定についてよく質問される事柄に対する推奨事項です。

   表1に、Symantec Mail Security for Exchangeの推奨設定を示します。
設定 推奨事項
一般設定
(すべての自動スキャンに適用)
ハートビートシステムの有効化:Mail Security for Exchangeが稼働しているかどうかを追跡します。製品が停止した場合、電子メールまたは警告により管理者に通知されます。
添付ファイルの遮断:社内ポリシーに基づいて作成したリストを、コンテンツディレクトリに設定する必要があります。
LiveUpdate/
Rapid Recovery
LiveUpdateを4時間ごとに実行します。
一致リスト 既知の脅威(ウイルス)からExchangeを保護するために使用します。一致リストを使用して、特定のウイルスが含まれた電子メールを照合します。デフォルトサンプルはすべて維持します。
レポート設定 ストレージのしきい値:すべてのデータを12カ月格納します。
フィルタ
サブポリシー
既知のウイルス脅威に対応する最新のウイルス定義ファイルが提供されていない場合に使用します。
スキャンジョブ:
Auto Protect
SMTPメッセージスキャン:SMTPスキャンソリューションがない場合に有効にします。
Exchangeバックグラウンドスキャンの有効化:ウイルスをスキャンするExchangeデータが比較的少ない企業で使用します。個々のメッセージがスキャンされるため、スキャン対象のデータが大量にある組織には推奨されません。
スキャンジョブ:
定時スキャン
完全スキャンのスケジュール:データベースにウイルスが感染している場合に選択します。
定時スキャン:業務上適切な場合に選択します。

表1:推奨設定


マルチサーバーコンソール

   Symantec Mail Security for Exchangeコンソールは、1台以上のExchangeサーバーを管理できるように設定できます。

   複数のMicrosoft Exchangeサーバーを使用しており、Mail Security for Exchangeコンソール(マルチサーバーコンソール)からメールセキュリティを管理する必要がある場合は、次の情報を含めた実装計画を立てる必要があります。

  • Mail Security for ExchangeをインストールするExchangeサーバーの合計数と名前
  • 将来Mail Security for Exchangeをインストールするサーバーの数

表2:マルチサーバーコンソールによる管理に必要な実装計画

   マルチサーバーコンソールを使用してMail Security for Exchangeを管理するには、すべてのMail Security for Exchangeサーバーがコンソールと同じドメインに配置されている必要があります。同じ設定を持つサーバーが複数ある場合は、マルチサーバーコンソールを使用してください。


ウイルス定義ファイルの推奨事項

   Exchangeサーバーは、ファイルシステムのウイルス対策スキャナ(Symantec Antivirus Corporate Editionなど)と、Exchangeメッセージストア用のウイルス対策保護(Mail Security for Exchange)の両方で保護する必要があります。

   Symantec Mail Security for ExchangeとSymantec Antivirus Corporate Editionを同じサーバーにインストールしている場合は、1つの定義を共有できます。共有すれば更新が1回で済むようになり、両製品の定義を別々に管理する必要がなくなります。

   Symantec Mail Security for Exchangeには、次の2種類の定義があります。

Rapid Releaseの定義

Rapid Releaseの定義は1時間単位で更新されます。発生する脅威に最も迅速に対応できるので、メッセージストアを持たないフロントエンドサーバーまたはブリッジヘッドサーバーに適しています。

LiveUpdateの定義

LiveUpdateの定義は徹底的にテストされ、更新頻度が少ないため、メッセージストアに適しています。メッセージストアの再スキャンには時間がかかるため、テストされた定義を使用した低頻度のスキャンが望まれます。

表3:ウイルス定義

   メッセージストアを持つExchangeサーバーでLiveUpdateの定義を使用する場合は、ウイルス定義の更新時に再スキャンを強制するオプションを有効にします。これにより、エンドユーザーがアクセスする前にすべてのメッセージを最新のウイルス定義ファイルでスキャンできます。

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シマンテックイエローブック

本連載は、シマンテックイエローブック「Symantec Email Security and Availability for Microsoft Exchange」からの転載記事です。シマンテックイエローブックとは、ITプロフェッショナルの方や一般の技術者に対して、技術的なノウハウを提供する本です。これらの本はシマンテックのソリューションを使って実際のビジネスや技術上の問題を「どのように解決するのか」について書かれています。またベストプラクティスに基づく推奨事項に加え、インストール、設定、製品の統合についても詳しく解説されております。詳しくは、下記のURLを参考にしてください。

http://www.symantec.com/ja/jp/enterprise/yellowbooks/index.jsp

株式会社シマンテック
著者プロフィール
株式会社シマンテック
シマンテックは、情報のセキュリティ、アベイラビリティ、整合性の確保に役立つソリューションを個人や企業のお客様に提供する世界的なリーダーです。米国カリフォルニア州クパティーノに本社を置くシマンテック コーポレーションは、現在、世界40ヶ国以上で事業を展開しています。
http://www.symantec.com/jp


INDEX
第13回:Symantec Mail Security for Exchangeを設定する際の注意事項
Symantec Mail Security for Exchangeの設定
  ファイルフィルタルール
電子メール環境を効果的に管理するための総合的アプローチ
第1回 電子メールのセキュリティと可用性
第2回 電子メールシステム強化の取り組み(前編)
第3回 電子メールシステム強化の取り組み(後編)
第4回 電子メール管理の重層的アプローチ
第5回 電子メールのセキュリティのポイント
第6回 電子メールのアーカイブ化と耐性基盤の構築
第7回 電子メールセキュリティの強化
第8回 電子メールのアーカイブ化
第9回 耐性システムを構築する
第10回 電子メールセキュリティと電子メールアーカイブソリューションのまとめ
第11回 迷惑メールの遮断
第12回 Symantec Mail Security for Exchangeの設定概要
第13回 Symantec Mail Security for Exchangeを設定する際の注意事項
第14回 ゲートウェイサーバー層におけるネットワーク境界の保護
第15回 電子メールのコンプライアンス
第16回 コンプライアンスにおけるITの役割

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