第9回:耐性システムを構築する (1/3)

シマンテックイエローブック
電子メール環境を効果的に管理するための総合的アプローチ

第9回:耐性システムを構築する

著者:シマンテック   2007/3/8
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耐性システムの構築

   システムの停止が原因であっても、他の予期しない事象が原因であっても、データの回復はすべての電子メール環境で不可欠です。現在、重要なデータが電子メールインフラストラクチャに存在する割合はますます増加しています。Backup Execは、Exchange環境に存在する情報のバックアップと回復に使用できます。

   ストレージの必要条件の急増は、ほとんどのExchange実装で一般的に見られます。Windows向けのVeritas Storage Foundation製品を使用すれば、可用性と耐性に優れたストレージ環境を構築できます。

バックアップと回復

   Microsoft Exchangeサーバー上では、Backup Execによってデータベースのバックアップと回復が簡素化され、Exchangeサーバーがオフラインになったり、ローカルまたはリモートシステムが破損することはありません。

   マルチレベルのバックアップと回復アプローチにより、Exchangeサービスとデータの可用性はバックアップ中も継続的に維持されます。集中型管理、自動化オプション、一般的なすべてのストレージデバイスのサポートが提供する柔軟性により、管理者は最大のパフォーマンスを実現できます。

   Backup Execは次のものを提供します。

  • メールボックスの増分バックアップなど、Exchangeデータベースとメールボックスコンポーネントに対する完全で中断のない保護
  • スケジュール設定された無人バックアップ用の柔軟なバックアップ方式
  • 個々のメッセージを復元できるなど、データベースとメールボックスの迅速できめ細かな回復
  • Backup Execと組み合わせて使用することで、VSS(Volume Shadow Copy Service)の統合とオフホストバックアップが利用可能

表1:Backup Execが提供するサービス

   Windowsシステムのバックアップと回復を行う製品のリーダーであるSymantec BackupExecは、Windows環境のための完全なデータ保護機能を提供します。直感的なインターフェースを使用してバックアップと回復の側面をすべて管理し、Windowsのサーバーとクライアントに展開される一貫したバックアップポリシーを保守できます。

   Backup Execには次のものが含まれます。

エンドツーエンドのデータ保護
デスクトップまたはリモートオフィスから中央データセンターに至るすべてのWindows環境のデータを保護します。
無限に近い拡張性
集中型の管理と制御、高度な技術、柔軟性のある複数層アーキテクチャによって、Windowsを主体としたIT環境のニーズに合わせてBackup Execソフトウェアを適合できます。
管理とレポート機能
リアルタイム監視、履歴レポートの作成、集中型管理など、企業ユーザーを対象にしたWebベースの管理とレポート機能を提供します。
自動ディザスタリカバリ
Backup Exec IDRオプションによって効率的なサーバー回復ができます。
セキュリティ
バックアップデータをパスワードで保護できます。詳しくは以下のURLを参照してください。 http://seer.support.veritas.com/docs/236709.htm
ストレージネットワーキング
多数のベンダーから提供される、さまざまなディスク、テープライブラリ、テープドライブ、SAN(ストレージエリアネットワーク)の相互接続技術をサポートします。SCSIまたはSANにより個々のディスクまたはテープドライブを動的に共有します。iSCSIとファイバーチャネルSANをサポートします。

表2:Backup Execの機能

   オフホストバックアップは、バックアップ時間の重要な問題に対処します。Backup Execでは、ADBO(Advanced Disk-based Backup Option)を使用してバックアップによる休止時間をほぼ完全に排除できます。ADBOを使用すると、ユーザーはExchangeServer のミラーコピーを中断し、バックアップサーバーにデータをマウントして、バックアップジョブの終了時にミラーとExchangeアプリケーションを自動的に再同期できます。

   詳しくは次の資料を参照してください。

Symantec Backup Exec Quick Recovery and Off-Host Backup Solutions for Microsoft Exchange Server 2003 and Microsoft SQL Server
http://www.symantec.com/offer?a_id=36486

   Backup Execは、1,000人から2,500人規模の企業を対象にした、このソリューションの推奨バックアップ技術です。さらに大きい組織ではVeritas NetBackupの使用を検討してください。

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シマンテックイエローブック

本連載は、シマンテックイエローブック「Symantec Email Security and Availability for Microsoft Exchange」からの転載記事です。シマンテックイエローブックとは、ITプロフェッショナルの方や一般の技術者に対して、技術的なノウハウを提供する本です。これらの本はシマンテックのソリューションを使って実際のビジネスや技術上の問題を「どのように解決するのか」について書かれています。またベストプラクティスに基づく推奨事項に加え、インストール、設定、製品の統合についても詳しく解説されております。詳しくは、下記のURLを参考にしてください。

http://www.symantec.com/ja/jp/enterprise/yellowbooks/index.jsp

株式会社シマンテック
著者プロフィール
株式会社シマンテック
シマンテックは、情報のセキュリティ、アベイラビリティ、整合性の確保に役立つソリューションを個人や企業のお客様に提供する世界的なリーダーです。米国カリフォルニア州クパティーノに本社を置くシマンテック コーポレーションは、現在、世界40ヶ国以上で事業を展開しています。
http://www.symantec.com/jp


INDEX
第9回:耐性システムを構築する
耐性システムの構築
  ストレージの仮想化
  製品の統合
電子メール環境を効果的に管理するための総合的アプローチ
第1回 電子メールのセキュリティと可用性
第2回 電子メールシステム強化の取り組み(前編)
第3回 電子メールシステム強化の取り組み(後編)
第4回 電子メール管理の重層的アプローチ
第5回 電子メールのセキュリティのポイント
第6回 電子メールのアーカイブ化と耐性基盤の構築
第7回 電子メールセキュリティの強化
第8回 電子メールのアーカイブ化
第9回 耐性システムを構築する
第10回 電子メールセキュリティと電子メールアーカイブソリューションのまとめ
第11回 迷惑メールの遮断
第12回 Symantec Mail Security for Exchangeの設定概要
第13回 Symantec Mail Security for Exchangeを設定する際の注意事項
第14回 ゲートウェイサーバー層におけるネットワーク境界の保護
第15回 電子メールのコンプライアンス
第16回 コンプライアンスにおけるITの役割

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