クライアント型SOAによるBtoCビジネス向けシステム
クライアント型SOAによるビジネスの加速化
以上のようにクライアント型SOAによって、アライアンス(提携)時におけるシステム面での障壁を軽減することができ、ビジネスの加速化が可能になりました。クライアント型SOAが存在していなければ、当社よりも格上の企業とのアライアンスは難航したでしょうし、仮に提携ができたとしても当社はリスクの面やコストの面、そして時間の面でも大きな負担を強いられたでしょう。
ここで読者の皆様にあえて問いたいです。
読者の皆様がビジネスモデルを設計する際に、システム面が大きな障害になっていることはありませんか。
現在、ITはいたるところで採用され生活基盤として深く広く浸透しつつあります。このような環境でシステム面を無視してアライアンスを実現することはほとんどないと考えます。それゆえに、システムが障壁になっているように見えることも多いのではないでしょうか。
システム連携においてサーバtoサーバの仕組みは、非常にしっかりとした連携を実現する手段の1つではありますが、すべてのシステム連携においてこの密連携を実現する必要はありません。今回のようなクライアントを介した疎結合での適切なケースもあるのです。当たり前ですが、大事なことは適所適材な判断によりシステムを構築することです。
特に今回の事例で皆様に感じ取っていただきたいのは、クライアント型SOA(疎結合)により、サービス主体者は他社とのアライアンスを容易にするだけでなく、大型サーバの構築・運営コストおよび個人情報の管理リスクをも軽減するということです。
日本企業の大部分がこの4月から来期のビジネスに突入します。おそらく今の時期は来期ビジネスプランの最終的な議論をされている時期ではないでしょうか。本連載を読まれる方は今一度、来期戦略上で今のプランよりも良い方法があるかどうか、再考していただきたいと思います。
おそらく調査をすれば、クライアントの技術は数年前のクライアントサーバ型のテクノロジーよりもメンテナンスや生産性が格段に向上しており、読者の皆様のビジネスに耐え得るものとして存在していることに気がつかれると思います。
次回について
今回は「クライアント型SOAによるBtoCビジネス向けシステム」と題して解説してきましたが、クライアント型SOAの新しい適用分野をご理解いただけましたでしょうか。
次回はクライアント型SOAのプロジェクト運営面や開発面に触れていきます。是非、ご期待ください。