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第3回:Web 2.0とAjaxの関係
著者:HOWS  清野 克行   2006/5/12
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Web 2.0におけるAjaxの位置づけ

   今では有名なAjaxという造語は、2005年2月にAdaptive path社のディレクタであるJesse James Garrett氏のエッセイ「Ajax:A New Approach to Web Applications」ではじめて使われた。

   そして、Tim O'Reilly氏が論文「What Is Web 2.0」を発表した2005年9月には、Ajaxという言葉はギークな人々に知れ渡っていた。その上Google Mapsといった格好のリファレンスサイトがあったこともあり、Ajaxの正体が知れ渡ってきた頃でもあった。

   O'Reilly氏がどこまでAjaxを意識していたかは定かでないが、この2つの造語が世にあらわれるタイミングはかなりよくできているように思える。つまりAjaxという言葉が世に存在せずに、それを意識させるような動きもなかったのならば、Web 2.0という造語は世にあらわれなかったとおもえるからだ。

   もちろんWeb 2.0は、純粋な技術用語であるAjaxなどと比べると、その言葉がカバーする範囲は技術トレンドから情報モデル、ビジネスモデルまでを含むため、よくいえば広範囲、言葉をかえれば漠然とした内容であり、特定の技術要素だけに左右されるような内容のものではないかもしれない。

   しかしAjaxについての様々な調査を行い、Ajaxの今後に大きな期待を寄せる者としては、AjaxはWeb 2.0の技術トレンドとしては必須の要素であり、AjaxなしでのWeb 2.0、特に技術的な側面では成り立たなかっただろうと思いたい。

   このようにWeb 2.0は体系的なものではないのだが、やや強引にWeb 2.0の技術トレンドとされる項目をMVCモデルの切り口で捉えてみた場合、MVCモデルでいうV(ビュー)の部分はブラウザのUIになる。Ajax以前のUIはあまりにも貧弱であり、MVCモデルをベースにしたのでは、次世代のWebを指向するWeb 2.0の構図は描き得なかっただろう。

MVCモデル構成で見たWeb 2.0
図1:MVCモデル構成で見たWeb 2.0

   MVCにおけるV(ビュー)以外の機能については、SOAPやRESTなどのWebAPIはC(コントローラ)、ユーザ参加型や集合知などの言葉で特徴づけられる膨大なデータとの管理はM(モデル)としてみることができる。

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HOWS  清野 克行
著者プロフィール
株式会社HOWS  清野 克行
慶應義塾大学工学部電気科卒。日本アイ・ビー・エム株式会社、日本ヒューレットパッカード株式会社などで、製造装置業を中心とした業務系・基幹業務系システムのSE/MKTG、3層C/Sシステムでの社内業務システム開発の業務に携わる。現在Ajax/Web 2.0関係のセミナー講師、書籍執筆などを行っている。情報処理学会会員。

INDEX
第3回:Web 2.0とAjaxの関係
Web 2.0におけるAjaxの位置づけ
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