WSF、OpenFlow 1.3を採用した仮想ネットワークオープンソースソフトウェアを発表
株式会社あくしゅが運営するWakame Software Foundation(WSF)は10月28日、企業やデータセンターで管理されている物理ネットワークの上に、仮想化されたネットワークを自由に設計、通信できるようにするソフトウェア OpenVNet(オープンヴィネット)の初版をリリースした。OpenVNetはオープンソースライセンスであるLGPLv3に基いて公開される。
OpenVNetの主な特長は以下の通り。
・物理ネットワークの変更を不要にしつつ、その上に新しいネットワークを自在に構築可能
物理ネットワークの構成変更にかかるネットワークエンジニアの負担を減らすため、物理ネットワークはできるだけ単純な構成にし、簡単な保守だけを行えるようにする。単純になった物理ネットワークの上でOpenVNetを使い、重ねるように複雑な仮想ネットワークを構築できるようになる。今後発生する構成変更作業は、OpenVNetの層で吸収してしまうことができる。アプリケーションの開発者は、仮想ネットワークの層だけを利用し、開発者が自ら構成の変更をオンデマンドに加えることができるようになる。
・無駄な物理ネットワークを集約して、ダウンサイジング可能に
OpenVNetを使うことで、物理ネットワークの上に、マルチテナントネットワークを管理できるため、既存ネットワーク機器のダウンサイジングが可能になる。普段は使われない設備にまで、他のシステム同様に、品質の高いネットワークを準備しているケースが多くある。このようなネットワークは、マルチテナント型に移行させることで、設備集約の効果と、近年の技術進化によって、高い利用効率を実現することができる。
・特殊なネットワーク設備を必要としない、エッジオーバーレイのアーキテクチャを採用
OpenVNetは、エッジネットワーキングと呼ばれる構成で、オーバーレイ型の仮想ネットワークを提供する。この技術は、ハードウェアの特殊な機能が必要としないため、物理ネットワーク機器の調達コストを低く抑えられるようになる。物理ネットワークの構造も単純化されることで、運用の簡素化につながり、ランニング費用の低減に貢献する。そうでありながら、このネットワークの利用者は、仮想化の力によって、物理ネットワークと異なる好きな構成のネットワークを組むことができ、非常に柔軟性の高いサービスを受けることが可能になる。
◆OpenVNetの機能的な特長
- OpenFlow 1.3対応/Trema-Edge
- 物理ネットワークに最適なパケット転送方式を自動選択(MAC2MAC/GRE Tunnel)
- 仮想スイッチ(スライス)・仮想ルータ
- DHCP
- 外部物理ネットワークと接続されるゲートウェイ(VNetEdge)
- 仮想ネットワークの変更(Web API/コマンドラインツール)
- インストールのためのパッケージ(rpm)の提供
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