パーソナルメディア、リアルタイムOSで動作する画像処理ソリューションを発売

2014年12月11日(木)

パーソナルメディアは12月5日、オープンソースの画像処理ミドルウェア「OpenCV」を次世代リアルタイムOS「PMC T-Kernel 2/x86」上に移植することに成功し、「OpenCV for PMC T-Kernel」の名称で2015年1月21日より出荷開始すると発表した。

T-Engineフォーラムがオープンソースで公開しているリアルタイムOS「T-Kernel」は、30年の実績を持つITRONのリアルタイム性を保ちつつ、ファイル管理やTCP/IPなどの豊富なミドルウェアを搭載した組込み向けOS。T-Kernelは、業務用のハンディ端末やパソコン周辺機器、車載機器、AV機器など、多くの機器で採用実績がある。

パーソナルメディアでは、ARM、SHなど各種のCPUを搭載した組込み機器にT-Kernelを移植してきたほか、産業用パソコン(x86系のCPUを搭載したPC/ATパソコン互換の制御用コンピュータ)で動作する高機能版のT-Kernelとして「PMC T-Kernel 2/x86」を開発し、業務用の無線機器や監視装置、工業用カメラ、車両制御やFA向けの制御装置など、幅広い分野の組込み機器で採用されてきた。産業用パソコンのOSにはWindows Embedded StandardやLinuxを使用するケースが一般的だが、これらの情報系OSではマイクロ秒単位の安定したリアルタイム性能を確保することが難しいため、FA向けなどのハードなリアルタイム処理が求められる用途にはT-Kernelのご利用が適している。

一方、T-Kernelを搭載した組込み機器が増え、T-Kernelの用途が広がった結果、より多くの機能をT-Kernel上で直接実現したいというニーズも高まってきた。その代表的な例が画像処理だ。特に、FA向け制御装置などの産業用途においては、カメラから取得した画像をコンピュータで自動処理することによって、製造工程の監視や製造した製品の品質確保を行う場合があるが、これを実現するには画像処理や画像認識の機能が必要となる。

「OpenCV for PMC T-Kernel」は、こういったニーズに応えるために、画像処理ミドルウェアである「OpenCV」を産業用パソコン向けの「PMC T-Kernel 2/x86」に移植した製品。本製品の利用により、T-Kernelを搭載した産業用パソコン上でユーザーの用途に応じた画像処理や画像認識を行うことが可能となり、より高度な機能を備えた組込み機器が容易に開発できるようになる。

本製品は、「PMC T-Kernel 2/x86」で動作するほか、ユーザーの開発した機器やハードウェアで動作するT-Kernel上に移植して提供する。画像入力用のカメラなど、対応する周辺機器については、要望に応じて個別に対応する。


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