レッドハット、コンテナベースの分散アプリケーションプラットフォーム「OpenShift Enterprise 3」の国内出荷を開始
レッドハットは7月22日、Docker形式のLinuxコンテナ、Kubernetesオーケストレーション、およびRed Hat Enterprise Linux 7を世界で初めて統合を実現し、コンテナアプリケーションのための開発基盤と本番環境の基盤までを完全にサポートする、企業システム向けコンテナベースのアプリケーション基盤 OpenShift Enterprise 3の国内提供を開始したことを発表した。
OpenShift Enterprise 3はRed HatのPaaS(Platform-as-a-Service)製品の新しいバージョンであり、最新のコンテナ技術とその運用管理機能を統合し、開発チームと運用チームの俊敏性、および運用効率を向上し、企業におけるアプリケーション開発と配布の迅速化をこれまで以上に効率化する。
OpenShift Enterprise 3は、DockerをベースにRed Hat Enterprise Linuxを使用したコンテナベースのアプリケーションプラットフォームを実現しており、アプリケーションサービスの開発、デプロイ、および実行のための、セキュアで効率的な、可搬性のある方法を提供する。また、OpenShiftのユーザーには、Red HatのContainer Certificationプログラムによって認定された、セキュアでかつ信頼性を備えたコンテナベースのパッケージアプリケーションのリポジトリにもアクセスすることができる。OpenShift Enterprise 3は、複数のコンテナやホストにまたがることが多いエンタープライズアプリケーションのオーケストレーション機能として、Googleと共同開発を行っている強力な自動スケール可能なオープンソースベースのコンテナオーケストレーションおよび運用管理機能をもつKubernetesとも統合している。Red Hat は、DockerとKubernetesの両方のオープンソースプロジェクトの主要コントリビュータであり、単にこれらのテクノロジーを採用しているだけでなく、コミュニティのアップストリームでそれらを積極的に構築している。
OpenShift Enterpriseは、このコンテナベースのアプリケーションプラットフォーム上に、Webコンソール、コマンドラインツール、または統合開発環境インターフェイスなど、開発者がアプリケーションプロジェクトの作成と協業を行うために必要な広範なツールを備えている。開発者はアプリケーションコードをGitから直接プッシュし、OpenShiftで最も優れた機能の1つであるSource to Imageビルド機能を使用してDockerイメージのビルドプロセスを自動化できるようになる。また、開発者はアプリケーションのデプロイメントとロールバックを簡単に操作でき、さらに、既存の開発および継続的統合化ツールと統合することもできる。OpenShift Enterprise 3には、Red Hat JBoss Enterprise Application Platformによるアプリケーションコンテナサービス、Red Hat JBoss Web Server(Tomcat)、およびRed Hat JBoss A-MQによるメッセージングサービスを含む、Red Hat JBoss Middlewareポートフォリオのエンタープライズミドルウェアサービスも含まれている。
企業によるコンテナベースでのシステム構築ソリューションの採用が拡大するに連れて、より効率的で一貫性のあるアプリケーションのデプロイ、実行、および管理のための機能が必要になる。企業システムは、「コンテナ化されたアプリケーション」と「不変のインフラストラクチャ (Immutable Infrastructure)」の実現に向かっており、企業システムは新しいマイクロサービスベースのアプリケーションアーキテクチャを容易にデプロイできかつ、物理、仮想、プライベート、パブリッククラウド環境に及ぶアプリケーションの管理も可能になる。OpenShift Enterprise 3は、ライフサイクル全体を通してこれらのアプリケーションを管理するための、強力で完全にサポートされたコンテナベースの開発およびデプロイメントプラットフォームを提供する。
レッドハットは、企業向けコンサルティングおよびトレーニングサービスの確固たるラインナップに、ユーザーと開発者のOpenShift Enterprise 3への移行を支援する新しいコースを追加する。新しいOpenShift Enterprise 3 administratorコースは、OpenShift 3環境のデプロイ、設定、および管理の方法を習得することができる。また、Red Hatエキスパート試験-Platform-as-a-Service-(EX280)の認定試験も合わせて提供する。新しいOpenShift Enterprise 3 developerコースは、OpenShift Enteprise 3の基盤でのアプリケーションの開発とデプロイおよび問題解決の方法をユーザーに示す。Red Hat Consultingは、アプリケーションのライフサイクル管理を強化するツールと方法を紹介し、開発者によるアプリケーション作成の迅速化、サイクルタイムの短縮、自動化の促進、および効率の改善を実現することサポートする。
その他のニュース
- 2024/12/10 systemdの代替を目指すサービスマネージャ「GNU Shepherd 1.0」リリース
- 2024/12/9 軽量なLinuxディストリビューション「manjaro 24.2」リリース
- 2024/12/9 JavaScript/TypeScript対応Webフレームワーク「Astro 5.0」リリース
- 2024/12/8 openSUSE project、「openSUSE Leap micro 6.1」をリリース
- 2024/12/8 「GNOME 47.2」リリース
Think ITメルマガ会員登録受付中
全文検索エンジンによるおすすめ記事
- Red Hatが提供するトレーニングの紹介
- モノリシックとマイクロサービスを同時にサポートするOpenShift 3.7
- Red Hat、Linuxコンテナ基盤「Red Hat Enterprise Linux 7 Atomic Host」を提供開始
- OpenShift 3.0で既存コードを捨てコンテナーに賭けるRed Hat
- レッドハットが「OpenShift Commons Gathering Japan 2021」を開催、キーパーソンが語るハイブリッドクラウドを実現するための3つのポイントとは
- OpenShiftコンテナを採用する4つのパターンとRed Hat on Azure Partner Network最新事例
- Red Hatが提供するJBoss Enterprise Middlewareとは
- コンテナをエンタープライズレディに OpenShiftにかけるRed Hatの意気込みとは?
- Red Hat、「Red Hat OpenShift Container Platform 3.7」を発表
- Red Hatがセキュリティ強化と自動化がポイントのOpenShift 4.3をリリース