Red Hat、Linuxコンテナ基盤「Red Hat Enterprise Linux 7 Atomic Host」を提供開始

2015年3月25日(水)

Red Hat,Inc.(以下、Red Hat)は3月19日、Linuxコンテナによる次世代アプリケーションを実行できるように最適化されたオペレーティングシステム、Red Hat Enterprise Linux 7 Atomic Hostの提供開始を発表した。Red Hat Enterprise Linux 7 Atomic Host は、コンテナとしてRed Hat Enterprise Linux 6および7向けに作成されたアプリケーションを容易にパッケージ化し、実行するために必要な全コンポーネントを提供する。

アプリケーションは、もはや一枚岩のスタックではなく、マイクロサービスで構成されることが多くなっている。コンテナベースのアーキテクチャによって、企業は機敏性に優れ、組み合わせ可能なアプリケーション基盤を十分に実現することができる。世界をリードするエンタープライズ向けLinuxプラットフォームをベースとするRed Hat Enterprise Linux 7 Atomic Hostによって、企業はコンテナベースのアーキテクチャを採用し、Red Hatの広範な認定エコシステムのパフォーマンス、安定性、セキュリティはそのままに、開発と実行の柔軟性や保守性を大幅に向上させることができる。

Linuxコンテナに基づくアプリケーションアーキテクチャには、コンテナを構築し実行するためのツールだけではなく、信頼性の高いセキュアな基盤、さらに長期にわたり企業の継続的な要求を満たす製品サポートが必要だ。これらの要件には、セキュリティに関する懸念の軽減、製品の継続的な強化、プロアクティブな診断、およびサポートへのアクセスが含まれる。Red Hatは、統合化されたコンテナベースのインフラストラクチャソリューションを企業に提供する。ベアメタルシステム、 仮想マシン、およびプライベートクラウドとパブリッククラウドを問わず、ポータブルに稼働するRed Hat Enterprise Linux認定アプリケーションを実現するように、コンテナベースのアプリケーションパッケージを最適化されたインフラストラクチャと組み合わせる。Red Hat Enterprise Linux 7 Atomic Hostのリリースによって、Red HatはLinuxコンテナをオープンハイブリッドクラウドにおいて安定性と信頼性の高いエンタープライズITのコンポーネントに進化させる。

Linuxコンテナを実行するために特別に設計されたRed Hat Enterprise Linux Atomic Hostは、オーバーヘッドを最小化し、メンテナンスを簡素化するため、コンテナ型アプリケーションの実行に必要なオペレーティングシステムのコンポーネントのみを提供する。Red Hat Enterprise Linux 7 Atomic Hostは Red Hat Enterprise Linux 7に基づいて構築されているため、Red Hat Enterprise Linux 7の安定性と成熟度、さらに認定ハードウェアパートナーの広範なエコシステムを継承している。

セキュリティは企業にとって最優先課題だ。コンテナのセキュリティとライフサイクルに関する懸念に対処するために、Red Hat Enterprise Linux Atomic Hostはオンデマンドでセキュリティの自動更新を行う。昨今のHeartbleedやShellshockからGhostなどのセキュリティ問題を含め、Red Hatの顧客はセキュリティ情報の通知、現在利用可能な製品の更新情報を受け、コンテナの信頼性とセキュリティに対処するセキュリティツールにアクセスすることができる。これは、コンテナをデプロイする顧客に対してRed Hatが独自に提供しているものである。

コンテナインフラストラクチャを構築し、これを維持するために、Red Hat Enterprise Linux 7 Atomic Hostは以下のメリットを提供する。

  • Atomicのアップデートおよびロールバック:イメージ方式で動作する更新メカニズムを使用する。Atomicのアップデートでは、旧バージョンのOSも保持した状態でダウンロードとデプロイメントをワンステップで行い、必要に応じてAtomicなロールバックを行うことができる(必要な場合)。
  • Docker形式のコンテナイメージ:アプリケーションコンテナとして、配布と実行が可能。
  • 認定およびサポート:Red Hat Enterprise Linux 6および7といったRed Hatが提供するプラットフォームイメージを用いて構築されたコンテナ、およびRed HatのISVパートナーが提供するコンテナを認定。
  • 大規模なコンテナオーケストレーション:Kubernetesを使用して、Red Hat Enterprise Linux 7 Atomic Hostのクラスタ全体のコンテナにデプロイされた個々のサービスを組み合わせて、大規模アプリケーションを構築。
  • デフォルトのセキュリティ強化:SELinux、cgroup、カーネルネームスペースの組合せを使用し、複数のコンテナ環境において各コンテナを隔離。
  • 特権コンテナのサポート:これにより、ホスト管理アプリケーションはホストや他のコンテナにセキュアな方法でアクセスできる。この特別なコンテナは、ユーザーにサードパーティ製ソフトウェアをインストールする手段を提供し、Red Hat Enterprise Linux 7 Atomic Hostに固有のAtomicコマンドは特権コンテナを極めて容易に作成し、これを実行させる。
  • オープンハイブリッドクラウドにおけるアプリケーションのポータビリティ:Red Hatの広範な認定エコシステムを利用する。物理ハードウェア、認定ハイパーバイザ(Red Hat Enterprise Virtualization、VMware、Microsoft Hyper-Vなどを含む)、認定パブリッククラウドサービス(Amazon Web ServicesとGoogle Cloud Platformなど)へのセキュアで安定したコンテナのデプロイメントが可能。

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