ユーザーに使ってもらってチェック!
ユーザビリティはユーザーにしかわからない
前回(http://www.thinkit.co.jp/article/130/2/)は、「Webサイトの標準的な型」を押さえるとともに、基本的なユーザビリティについて紹介しながら、実際に「指標によるチェック」を体験していただきました。今回は個別のユーザビリティについてチェックを行い、Webサイトの改善に役立てる「ユーザビリティ調査」について説明します。
当たり前の話ですが、Webサイトは「ユーザーが使うもの」です。ユーザーからのリクエストがない限りコミュニケーションをとることができません。
主導権はユーザー側にあるので、「ユーザーが目的を達成しにくいWebサイト=ユーザビリティが悪いWebサイト」であり、たとえどんなに有益な情報があったとしても、その価値を下げる要因になりかねません。
しかし、「ユーザビリティ」とはあくまで概念であり、そのWebサイトごとにその姿を変えます。前回までに紹介したような、ユーザビリティの基本原則は確かに重要です。しかし基礎はあくまで基礎であり、そこから先は各Webサイト独自のユーザビリティが必要になります。あなたのWebサイトを訪れたユーザーが、その目的を達成しやすいかどうか、それが最も重要なのです。
制作者とユーザーとの間にある壁を越える
私たちウェブ制作者は、ユーザーのWebサイト上における目的達成までの導線(=ユーザーシナリオ)を考え、Webサイト設計を行います。
しかし制作者と実際のユーザーとの間には非常に大きな壁があります。制作者が考えているユーザー像は想像の産物でしかなく、実際のユーザーはシナリオ通りには動いてくれません。なので「制作者が思うユーザー像は仮説である」ということを念頭に置き、実際のユーザーによってシナリオの検証を行う必要があります。
これが今回説明するユーザビリティ調査です。この調査はユーザーが目的を達成するまでの導線(=ユーザーシナリオ)上においてどこに問題があるのかを検証できる非常に有意義な調査です。この調査によってWebサイトのユーザビリティは大きく改善されます。
それでは、次に「ユーザビリティ調査を行う上で必要なこと」について紹介します。