Windows Subsystem for Linux 2 でDocker を使用する(その2)

2022年11月24日(木)
赤井 誠
前回に引き続き、WSL2でDockerを使用する方法を紹介します。

前回に続き、Window Subsystem for Linux 2でDockerを使用する方法を紹介します。

WSL2のGUIアプリをWindowsで使用する

WSL2は、多くの場合コマンドラインユーザーインタフェース(CUI)で使用することが多いと思います。しかし、Windows 11ではWSL2で動作するグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)アプリケーションも特別な設定を行わずに使用することも可能です。

WSL2へのGUIアプリインストール

1. 下部の一番左のアイコンをクリックします。

2. ウィンドウが表示されます。

3. 表示されたウィンドウの「Ubuntu」をクリックします。

4. Ubuntuのターミナルが起動します。

5. Ubuntu ターミナルでキーボードより以下のコマンドを入力しENTERキーを押してパッケージ情報を更新します。

$ sudo apt update

6. パッケージ情報の更新が終了したらキーボードで以下のコマンドを入力しENTERキーを押してGUIアプリケーションをインストールします。今回は、Linux画像編集アプリケーションのGIMPをインストールしてみましょう。

$ sudo apt install gimp

動作確認

1. Ubuntu ターミナルよりキーボードで以下のコマンドを入力しENTERキーを押してGIMPを起動します。

$ gimp

2. GIMPの初期画面が表示されます。

インストールされたGUIアプリケーションの確認

1. 下部一番左のアイコンをクリックします。

2. ウィンドウが表示されます。

3. 表示されたウィンドウ右上の「すべてのアプリケーション」をクリックします。

4. アプリケーション一覧が表示されます。

5. 一覧にある「GNU Image Manipulation Program」をクリックします。

6. GIMPの初期画面が表示されます。

WSL2の環境移行、初期化、削除

WSL2はLinux仮想マシンであるために容易に削除・再作成が可能です。さらにインストール時点の状態に戻すことも可能となっております。これによって、開発環境を構築して、必要がなくなったら、削除するといったように、自分のWindows環境を乱させないようにできます。

これからそれらの操作を説明します。

WSL2環境の初期化

1. 下部一番左のアイコンを右クリックします。

2. メニューが表示されます。

3. 表示されたメニューの「Windows ターミナル」をクリックします。

4. Windows Terminalが起動します。

5. Windows Terminalにキーボードより下記コマンドを入力しENTERキーを押して環境を確認します。

> wsl  -l -v

6. Windows Terminalにキーボードより下記コマンドを入力しENTERキーを押すと環境が初期化されます。

> wsl  --unregister Ubuntu

7. 再度Windows Terminalにキーボードより下記コマンドを入力しENTERキーを押して環境を確認します。

 > wsl  -l -v

WSL2環境の削除

1. 下部一番左のアイコンをクリックします。

2. ウィンドウが表示されます。

3. 表示されたウィンドウ右上の「すべてのアプリ」をクリックします。

4. アプリ一覧が表示されます。

5. アプリ一覧の「Ubuntu」を右クリックします。

6. 表示されるメニューの「アンインストール」をクリックするとWSL2のUbuntuが削除されます。

WSL2環境のエクスポート・インポート

WSL環境をエクスポートし、別のシステムにインポートすることで、今まで使っていた環境を利用することが可能です。

これからそれらの操作を説明します。

1. 下部一番左のアイコンをクリックします。

2. ウィンドウが表示されます。

3. ウィンドウに表示されている「Ubuntu」をクリックします。

4. Ubuntuターミナルが起動します。

5. Ubuntuターミナルで下記コマンドを入力しENTERキーを押してファイルを確認します。

$ ls

6. Ubuntuターミナルで下記コマンドを入力しENTERキーを押してファイルを作成します。

$ touch test

7. Ubuntuターミナルで下記コマンドを入力しENTERキーを押してファイルが作成されていることを確認してUbuntuターミナルを閉じます。

$ ls

8. 下部一番左のアイコンを右クリックします。

9. メニューが表示されます。

10. 表示されたメニューの「Windows ターミナル」をクリックします。

11. Windows Terminalが起動します。

12. Windows Terminalでキーボードより下記コマンドを入力しENTERキーを押して新規にディレクトリを作成します。

> mkdir ~\ubuntu-exenv

13. Windows Terminalでキーボードより下記コマンドを入力しENTERキーを押して作成したディレクトリに移動します。

> cd ~\ubuntu-exenv

14. Windows Terminalでキーボードより下記コマンドを入力しENTERキーを押して環境をエクスポートします。

> wsl  --export Ubuntu Ubuntu20220124.tar

実行終了まで1~2分ほどかかります。

15. Windows Terminalでキーボードより下記コマンドを入力しENTERキーを押して現在の環境を確認します。

> wsl -l -v

16. Windows Terminalでキーボードより下記コマンドを入力しENTERキーを押して現在の環境を初期化します。

> wsl  --unregister Ubuntu

17. Windows Terminalでキーボードより下記コマンドを入力しENTERキーを押して現在の環境を確認します。

> wsl -l -v

18. Windows Terminalでキーボードより下記コマンドを入力しENTERキーを押してAppData\Localディレクトリを作成します。

> mkdir $env:LOCALAPPDATA\Ubuntu

19. Windows Terminalでキーボードより下記コマンドを入力しENTERキーを押して環境をインポートします。

> wsl  --import Ubuntu $env:LOCALAPPDATA\Ubuntu Ubuntu20220124.tar

実行終了まで1~2分ほどかかります。

20. Windows Terminalでキーボードより下記コマンドを入力しENTERキーを押してユーザーを作成します。

> ubuntu config -default-user user01

21. Windows Terminalでキーボードより下記コマンドを入力しENTERキーを押してWSL2の状態を確認します。確認したらWindows Terminalを閉じます。

> wsl -l -v

22. 下部一番左のアイコンをクリックします。

23. ウィンドウが表示されます

24. ウィンドウにある「Ubuntu」をクリックします。


Ubuntuターミナルが起動します。

25. Ubuntuターミナルで下記コマンドを入力してENTERキーを押してエクスポート前に作成したファイルがあることを確認します。

$ ls
MKTインターナショナル株式会社 代表取締役社長
日本HPに入社後、ソフトウェアR&D、事業企画、マーケティング部門を歴任。Linux事業リーダーとして日本HPをLinux No.1ベンダーに、HPC事業を立ち上げHPC No.1ベンダーへと導く。2011年4月MKTインターナショナルを起業し、現職。『できるPRO MySQL』(インプレス刊)等著書多数。

連載バックナンバー

開発ツール技術解説
第4回

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2022/11/24
前回に引き続き、WSL2でDockerを使用する方法を紹介します。
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第3回

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今回と次回の2回で、WSL2でDockerを使用する方法を紹介します。
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2022/7/26
連載2回目となる今回は、Windows Subsystem for Linux 2のインストール・設定を解説します。

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