NetVaultとは
NetVaultは、BakBone Softwareが提供しているバックアップソフトウェアでLinuxにおいて多くの実績があります。NetVaultはGUIによって直感的でわかりやすい操作が可能となっており、セットアップも非常に容易です。
NetVaultではバックアップを管理するGUI、バックアップ装置を接続したバックアップサーバ、バックアップ対象に分かれています。まずは、NetVaultで一般的に使われる用語を解説していきます。
NetVaultサーバ
NetVaultサーバはバックアップを行うための管理サーバとなる場合が多く、管理者はこのサーバから対象のハードディスクをバックアップしま す。リモートでの操作も可能で、バックアップ対象のハードディスクのデータはLAN経由でバックアップサーバに送られます。
バックアップに用いるテープ装置は、バックアップサーバにローカルで物理接続する構成が一般的です。NetVaultの場合、バックアップサーバを NetVaultサーバと呼ぶこともあります。またNetVaultサーバは、Red Hat Enterprise Linux 4で構成することが可能です。
クライアント
バックアップサーバがバックアップを行うサーバであるのに対して、取得したいデータが接続されているバックアップ対象のことを「バックアップクライアント」や「ターゲットマシン」と呼びます。NetVaultの場合はバックアップ対象のことを「NetVault Client」や「target」と呼ぶことがあります。またNetVaultでは、Linuxサーバをバックアップ対象としてサポートしています。
テープ装置とテープライブラリ装置
テープ装置はバックアップデータを保存する装置のことで、一般的にテープカートリッジが1本しか挿入できないタイプのものを指します。Linux上 からSCSIホストバスアダプタで外付けされているものや前面のSmart Arrayコントローラに装着できるもの(ProLiantサーバなど)もあります。読み書きは、Linux上からtarコマンドや dump/restoreコマンドで行います。
テープライブラリ装置は複数のテープカートリッジを内蔵しており、テープ装置同様に、Linux上からはSCSIホストバスアダプタで外付けされて いる場合がほとんどです。Linux上から取り扱う場合にはNetVaultなどのバックアップ用ソフトウェアを用いて、ライブラリ装置に挿入された複数 のテープカートリッジを1つのライブラリとして読み書きを行うことができます。NetVaultでは、GUI管理ツールによってマウスを用いた操作で可能 です。
仮想テープライブラリ装置
NetVaultでは、バックアップサーバにテープライブラリ装置が接続されていなくても、テープライブラリ装置が接続されているかのようにローカルディスク上に仮想的なテープライブラリ装置を作成することができます。
NetVaultのGUI管理ツール
NetVaultのGUI管理ツールは、バックアップサーバ上でnvguiコマンドによって起動します。Red Hat Enterprise Linux 4をバックアップサーバとした場合の管理ツールのメインウィンドウを図1に示します。

図1:NetVaultのGUI管理ツール(NVGUI)
管理ツールを起動すると、管理項目ごとに分類されたアイコンが姿をあらわします。バックアップ対象となるクライアントを設定するには「クライアント管理」をクリックします。またバックアップとリストアは「バックアップ」「リストア」をクリックして行います。
NetVaultではクライアントに施した作業(バックアップ/リストア)を「ジョブ」として管理しています。バックアップやリストアを行うたびに、その作業にジョブ番号が割り当てられ、NetVaultは各作業をジョブ番号で管理します。管理者はジョブ番号を見てバックアップ、リストアが成功しているかどうかを確認していきます。