バックアップとは
PCの世界でバックアップというと、CD-ROMやDVD-RAM、DVD-Rへのデータ退避を想像しますが、エンタープライズシステムにおけるバックアップは非常に多種多様です。
一口に「バックアップをしたい」といっても、バックアップ装置の構成やデータの取得方法、データの種類、圧縮方法、ツール、ネットワーク経由やSAN経由でのバックアップなど様々な手段やツール、製品が存在しています。
本連載では表1に示すLinuxシステムのバックアップ手法から、「オープンソースソフトウェアMondo RescueによるリカバリDVDの作成」と「NetVault for Linuxを使ったバックアップ」を取り上げ、解説していきます。
- オープンソースソフトウェアMondo RescueによるリカバリDVDの作成
- レスキューモードによるシステムリカバリ
- rsyncによるデータレプリケーション
- NetVault for Linuxを使ったバックアップ
表1にあげた「レスキューモードによるシステムリカバリ」については、改めて知っておきたいRed Hat Enterprise Linux 4-サーバ編の「第2回:HAクラスタとバックアップ」で、「rsyncによるデータレプリケーション」については、改めて知っておきたいRed Hat Enterprise Linux 4-サーバ編の「第3回:データレプリケーションとWebサーバの構築の基本」でそれぞれ解説していますので、そちらを参照してください。
第1回の今回は、「Mondo Rescue」による手法を紹介します。
オープンソースソフトウェア「Mondo Rescue」によるリカバリDVDの作成
オープンソースのバックアップソフトウェア「Mondo Rescue」は、サーバのOSやハードディスクのデータをイメージファイルとしてフルバックアップすることができます。またisoイメージを作成する機 能もありますので、緊急用のブート用のCD-ROM/DVD-ROMを作成することが可能です。
またテープやハードディスクの他の領域に保存したり、NFSサーバに直接データを送ることもできますので、マウントさえできればどこにでも保存できますので、作成したisoファイルは、後からいつでもCD-ROMに記録することもできます。
Mondo Rescueは無料で入手できるオープンソースソフトウェアで、Red Hat Enterprise Linuxはもちろんのこと、その他のディストリビューション用のバイナリRPMパッケージが用意されているため、導入は比較的簡単です(ただしMondo Rescueはベンダーのサポートはありません。利用の際には自己責任となりますので注意してください)。
Mondo Rescueのバイナリは以下のURLから入手します。
以降では、リカバリDVDの作成の手順を紹介していきます。