インストールとNICの設定
サーバへRHEL4のインストール
今回は、サーバにRed Hat Enterprise Linux(以下、RHEL)をインストールする際の注意点を解説します。RHEL4をインストールするにはいくつかの方法があります。
CD-ROMやDVD-ROMが読み取れる光学ドライブを搭載しているサーバでは、光学ドライブにRHELのCD-ROMを挿入して電源を投入しま す。電源を入れてCD-ROMからブートさせると、RHELのインストーラが起動しますので、インストーラの指示に従ってインストールを行います。
今回解説するのは、このインストール手順をまとめたものです。
RHEL4インストール手順
RHEL4の一般的なインストール手順は以下のとおりです。
- 電源投入
- ハードウェア設定(BIOS、Fibre Channel、RAIDコントローラなど)
- 光学ドライブへCD-ROMを挿入し、CD-ROMからブートさせる
- インストーラで使用する言語の選択
- インストーラで使用するキーボード、マウスの選択
- ディスクパーティションの設定
- ブートローダの設定
- ネットワークの設定
- ファイアウォール設定
- パッケージ選択
表1にあげた手順の中でも、特にサーバにおけるRHELの設定で重要なものを取り上げます。
ハードウェア設定
RHEL4のインストーラを起動する前に、ハードウェアの設定が必要です。サーバ用途におけるハードウェア設定では、BIOSでHyper Threading(注1)のON/OFFや時刻などを正しく設定する必要があります。Linuxシステムの場合、緊急用の管理としてシリアルケーブルを 使った接続を行う場合もありますので、シリアルポートの設定も行います。
1つのプロセッサが2つのバスを持ち、OS側には2つのプロセッサを持つようにみせ、仮想的なマルチスレッドを実現する機能。Intel社のPentium4やXeonプロセッサに搭載されている。
ブート順序については、CD-ROMからブートができるかどうかを確認するだけでなく、NIC(Network Interface Card)のPXEを使ったブートについても適切に設定しておきます。
DHCPサーバやPXEサーバがシステムに含まれる場合、インストール対象のサーバのブート順序がPXEを使ったブートを最優先に設定していると、 リブートした場合にローカルディスクから起動せずにPXEを使ったブートをするとネットワーク経由での再インストールが自動ではじまってしまうなどの障害 を引き起こす場合があります。
従ってインストール前から、システムにあった適切なブートオーダーを設定しておくことが重要です。特にブレードサーバなどのネットワークインストールが必要な環境では細心の注意が必要です。
大規模サーバやDBサーバ、HAクラスタの多くは、外部ストレージにFiber Channel接続を採用することが一般的です。その際には、Fiber ChannelのSANからのブートを適切に設定する必要があります。
またサーバの多くは、ハードウェアRAID上の論理ドライブにインストールします。そのためハードウェアRAIDの設定は必須です。通常、OSを格 納するディスクはRAID構成を組みますので、この時点でハードウェアRAIDのコントローラの設定で論理ドライブを作成しておきます。