編集者ガチンコバトル「開発ドキュメント」に役立つ最新刊
システム開発の地図、開発ドキュメントを書籍で学ぶ!
今回の特集を読んでいる方々は、実際の仕事の中で「開発ドキュメント」を書いているだろうか?
2月の特集テーマである開発ドキュメントは、さまざまな作業現場で必要とされている割に、それを専門に学んだり、ノウハウを吸収するための情報源は「口伝」以外には少ないのではないだろうか。
記事の編集を行う編集者にとっての開発ドキュメントといえば、「記事の企画書」や記事内容をまとめた「レジュメ」が該当するだろう。実は筆 者も、その必要性は感じていて、しかも文章や図版構成を生業としているのにも関わらず「苦手」なのだ。その意味で、今回の特集「楽々デブドックを書こ う!」は筆者にとっても有益な記事が集まっている。
その中でも「こんな役に立つ書籍があったのか!」という感動が目白押し(予定)の、本連載「土日に買って勉強したい『○○』本」だ(毎週土曜日にシンクイットのメールマガジン「Think IT Today」で先行公開)。
第1週目の今回は、特集テーマに合わせた各社最新の書籍を取り上げ、それぞれの担当編集者によるコメント合戦「編集者ガチンコバトル」をお 届けする。今回は満を持して、「ITビジネスに携わる人ならまずはチェックしたい」出版社である日経BP社が初参戦。紹介する書籍は「基礎から学ぶシステ ム仕様書」だ。
基礎から学ぶシステム仕様書
著者:秋本芳伸、岡田泰子
発行:日経BP社
ISBN:978-4822283339
仕様:262ページ
価格:2,100円(税込み)
発売日:2007年11月22日
システム仕様書の上手な作り方を具体的に解説!
基礎から学ぶシステム仕様書の推薦コメントは、自らもシステム開発に携わった経験があるという加古川 群司さんからいただいた。
加古川さんはこれまでに、「90分で学べるSEの思考術」や「90分で学べるRFPの作り方」「90分で学べるIT提案力」といった「学び 系」のものから、「DXFプログラミングガイド」「仕事に使えるLinuxシェルスクリプト」といった実用向けのもの、そして「量子コンピュータへの誘 い」や「量子暗号」といった分野まで、幅広く手がけている。
「うまくいかなかったシステム開発を後から振り返ってみて、『あのときちゃんとしたシステム仕様書を作っておけばよかったなあ』と後悔したことはありませんか。かくいう私自身がそうなんです。
ユーザの立場からシステム開発に参加したのですが、セキュリティの穴があいたシステムになってしまったのです。告白しますが、『システム仕様書』と呼べるようなものは結局最後まで作られませんでした。
これが、システム仕様書の上手な作り方を解説した本を編集者として出したいと思った出発点です。
システム仕様書は下流のプログラミング工程につなげるためだけのものではありません。著者の秋本芳伸さんと岡田泰子さんは、システムの基本仕様書や詳細仕様書でユーザと開発者がお互いの考えを確認することを提唱します。
そのためのシステム仕様書はいかなるものであるか、どうやって作るのかを具体的に語っているので、ぜひ手にとってみてください」
次ページでは、前回紹介した毎日コミュニケーションズの「Code Craft」と「Code Quality」と合わせて読みたい1冊、「Code Reading」が登場する。